7月の自然環境学習の森日記

更新日:2018年08月28日

19日(木曜日)

大きなカブトムシを見つけました

東浦自然環境学習の森には、森林の除伐や竹林の整備を進めているため、森林内に腐葉土がたくさんあります。腐葉土は、落ち葉や木の枝を微生物などが分解し、発酵してできます。森の整備が行われていないと、この微生物による分解や発酵が進みにくくなるため、腐葉土が出来にくくなります。カブトムシの幼虫は、腐葉土をたべて大きくなるため、腐葉土がたくさんある場所には、カブトムシもたくさんいます。

カブトムシは、成虫になると脱皮をしないため、大きさが変わることはありません。幼虫の時に栄養価の高い腐葉土がたくさんあると大きく育ちます。森林や里山の整備が行われないと、森林内の腐葉土が少なくなってしまいます。腐葉土が少なくなるとカブトムシは大きくなれません。このように、森林保全活動とカブトムシの大きさには密接な関係があります。

今日、写真のような大きなカブトムシを見つけました。

こつこつと地道に保全活動を続けてきた成果かもしれませんね。

 

カブトムシ生き物
コガタスズメバチ

【コガタスズメバチ】

カブトムシやクワガタムシがいる木には、危険な生き物も集まります。カブトムシなどがいても、直ぐに捕まえずにスズメバチがいないかあたりを見渡してから捕まえるようにしましょう。

シロスジ

【シロスジカミキリ】

コナラやクリの木などの幹に傷をつけて樹液を吸います。人間には、果樹園等で害虫とされていますが、カブトムシやクワガタムシなどの樹液を吸う生き物は、自分で木の幹を傷つけることができないため、なくてはならない生き物となっています。

7日(土曜日)

「初夏の里山で生き物を探そう」を開催しました。

朝から雨が降る湿度の高い蒸し暑い日となりましたが、たくさんの人が集まり自然観察会を行いました。初夏の里山はたくさんの生き物に出会うことができます。早速、森の入口では、小さなアマガエルと茶色い体のヌマガエルが出迎えてくれました。

今年の観察会のテーマは、里山に住むカブトムシです。カブトムシは夏になると里山などの森で姿を見ることができます。今では、ホームセンターなどで当たり前に買うことができる生き物ですが、自然環境学習の森では野生のカブトムシがどんな生活をしているのかをみることができます。カブトムシは、クリやコナラなどの樹液が出る木が好きで東浦自然環境学習の森は、樹液を出す木が多くあるため、カブトムシを始めカミキリムシやカナブン、ゴマダラチョウなどを見ることができます。観察会の最後には日本最大級のトンボであるオニヤンマを捕まえることができました。オニヤンマは黒と黄色の体に緑色のきれいな目をしています。参加者は夏の里山でカブトムシを始めさまざまな生き物を見つけることができました。みなさんも自然環境がそのまま残っている自然環境学習の森で、樹液に集まる虫たちを観察しに来てみてはいかがですか。

観察会
オオカマキリ

【オオカマキリの子ども】

まだ小さなカマキリですが、これからどんどん大きくなって、秋には緑色の大きくなった姿を見ることができます。

オニヤンマ

【オニヤンマ】

日本最大級のトンボです。オニヤンマのエサは他の昆虫で、ときにはスズメバチも捕まえて食べてしまうそうです。

3日(火曜日)

コガネグモを見つけました

皆さんコガネグモを知っていますか。コガネグモは、草地や野原でよく見ることができるクモでしたが、都市部では生息数が減っており、愛知県では準絶滅危惧種に指定されています。そんなコガネグモですが、実はとてもすごいクモなんです。

コガネグモの仲間が作るクモの巣の中心には、白い太い糸が見られ、足の形と同じようにきれいなX字に見えることから、「白いかくれおび」と呼ばれています。コガネグモの巣は、紫外線をほとんど反射せず、この白く太い糸が紫外線に反射していることがわかっており、昆虫の目で見ると花が咲いたように見えるそうです。花と勘違いした昆虫がコガネグモに捕まってしまいます。クモの糸ってすごいですね。

【ノコギリクワガタ】

カブトムシと同じくらい人気のあるクワガタムシ。ノコギリの刃のようなギザギザがあごにあることからノコギリクワガタと呼ばれています。

【アオカナブン(右)、カナブン(左)】

樹液に集まるのはカブトムシだけではありません。カナブンも集まってきます。カブトムシほど人気はありませんが、きれいな色をしたカナブンもいるので、是非探してみてください。