3月の自然環境学習の森日記

更新日:2021年03月31日

22日(月曜日)

写真の黒い小さな粒は、なんだと思いますか。

ため池の中に、黒い粒のような生き物を見つけました。観察してみると、尻尾があり体をくねらせて動いていました。

 

これは、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)です。ヒキガエルは、繁殖以外に水に入ることがほとんどないため、水辺から離れた森林などで見かける比較的大型のカエルです。体色は褐色で、首元にあるイボ(耳腺)からは毒が出ます。

アズマヒキガエルは、全国的には国内外来種として生物多様性に悪影響を与えている地域もありますが、知多半島の個体は減少傾向にあり、以前ほど見かけることが少なくなりました。減少した原因は、解明されていませんが、自然環境学習の森でも複数のため池がある中で、産卵するのは毎年同じため池です。

ヒキガエルの幼生だけでなく、毎年産卵するこのため池も含め、守っていきたいと思います。

ヒキガエルのオタマジャクシ

ふ化したてのアズマヒキガエルの幼生です。

まだとても小さいですが、大人になると12センチメートルほどに成長します。無事大人になれるのは、この中でもほんの一握りなので、見つけても観察するだけにしてください。

マムシグサ

【マムシグサ(サトイモ科)】

明るい森林や谷沿いのやや湿った場所に生育する植物で、春に茎を伸ばし、変わった形の花を咲かせます。茎の模様がマムシの皮膚の模様に似ていることが名前の由来と言われています。マムシグサが生えている場所は、マムシの好む場所とも言われているため、マムシグサを見つけたら、蛇がいないか確認してください。

ヤマザクラ

【ヤマザクラ(バラ科)】

自然環境学習の森にも春がやってきました。

森内には、数本のヤマザクラが自生しており、この写真は新池付近に生えるヤマザクラを撮影しました。ヤマザクラは日本の固有種で、日本に自生する10種のうちの1種に数えられています。ソメイヨシノとは違う、昔から日本にあるサクラを見ることができます。

7日(日曜日)

ヨシ原の保全活動を行いました。

自然環境学習の森の中央部には、ヨシがまとまって生息しているヨシ原があり、1月の末に刈り取りした場所で焼却作業を行いました。

活動には、58名の参加者が集まり、保全・育成の会のメンバーの他に東浦町のボーイスカウトのメンバーも集まってくれました。

刈り取りしたヨシを集め、火を付けますが、森へ火がいかないようにポンプ2台を使用して、水をかけ火の調整を行いながら、安全に作業を行いました。

刈り取ったヨシは、焼却することで地面に日光が届くようになり、次に生えるヨシの生育に良い影響を与えてくれるため、毎年この時期に焼却作業を行っています。4月になると新しい青々したヨシが生えてきて、5月頃にはオオヨシキリの鳴き声が聞こえる生物多様性が豊かな草地になります。

それぞれの季節に合わせて、様々な様子を見せてくれるヨシ原を一度見に来てください。

ヨシ原の焼却

刈り取ったヨシを集めて、火を付けます。ヨシ原は、湿地に生えるので火はすぐに消えてしまいます。

ヨシ原の状況

多くの方の協力で、すべての草地を焼却することができました。

今年もたくさんの生き物が生息する、自然豊かな草地になると嬉しいです。

この記事に関するお問い合わせ先

環境課 環境保全係
〒470-2192 愛知県知多郡東浦町大字緒川字政所20番地
電話番号:0562-83-3111
ファックス:0562-83-9756

環境課 環境保全係へメールを送信