講演会「町民が幸せに暮らせるまちのしくみ?―東浦町とスウェーデンとの比較をまじえながら―」結果報告

更新日:2020年06月29日

緒川コミュニティセンターにて、「町民が幸せに暮らせるまちのしくみ?―東浦町とスウェーデンとの比較をまじえながら―」と題し、明治大学政治経済学部地域行政学科長 星野泉教授にご講演いただきました。

 

日時:平成28年12月17日(土曜日) 午後1時30分から3時30分まで

場所:緒川コミュニティセンター

講師:明治大学政治経済学部地域行政学科長 星野泉 教授

 

 

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講師写真

講演骨子

・海外、特に北欧との比較により、「どんな生活を目指すのか」の方向性を検討することができる。

・スウェーデンは高福祉・高負担の国。充実した育児休暇、20人学級、男女平等、民主主義度国際比較上位の常連などの反面、税金が高い、情報公開過多、医療制度への安心感が乏しい。

・スウェーデンの公務員数は人口の15パーセント、労働人口の25パーセント程度。教育・福祉・医療の現場に多くの公務員が配置されている。

・税金が高いということは、可処分所得(注1)が低いということなので、あまり贅沢な生活はできない。

・世界と日本とのデータを比較すると、日本は税負担が小さく、中福祉・低負担国家。

・日本は普遍主義的(注2)でなく、選別主義的(注3)サービスだが、選別主義にすると、中堅層と高額所得層がサービスを受けられず、「ほんの一部の人だけがサービスを受けて得をしている」という不満を抱くことになる。

・年金、医療以外の、市町村が行うサービスのあり方が、社会サービスの課題。

・地方自治体の財政は厳しい状況。税金を高くするか、サービスを削減するか。第三の道が「協働」。公共のために、自分がやれることを少しでもやるという考え方。

・自治基本条例の制定により、住民投票条例、参加条例、協働条例などを整備し、協働を進める自治体が増えている。

・自治の発展には、住民参加が欠かせない。住民と自治体職員が一緒に成長していくことが重要。

・普遍主義的サービスへの転換が難しくとも、選別主義に協働の考え方を組み入れた協働社会を作っていくのが良いのではないか。

 

(注1)可処分所得…給与やボーナスから、税金や社会保険料を差し引いた残りの収入のこと。いわゆる手取り収入。

(注2)普遍主義…所得に関係なく、すべての人がサービスを受けられるようにすること。

(注3)選別主義…所得制限などを行い、サービスを受けられる人を限定すること。

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