オニバスの保護活動 データ編(令和6年)

更新日:2024年12月24日

於大公園のオニバス池とその周辺で栽培したオニバスたちの葉や花の数、葉の大きさの数値と共に2024年のオニバスの様子を以下に示します。

目次
概況
オニバス葉 大きさの変化
オニバス 葉の数と花の数
オニバス 葉の総数の日毎の推移
オニバス 花の総数の日毎の推移

概況

於大公園で暮らしたオニバスの2024年の生育の様子は以下のとおり。

全体の様子
  • 2024年は一郎から十一郎までの11株と途中で代替わりした三郎5代目と五郎4代目の2株を合わせて13株を栽培。4月初めに発芽した一郎から八郎は第三葉が出揃った4月23日に、その後発芽した九郎、十郎、十一郎は5月7日に土の入った5号ポリポットに植えつけ。
  • 先に植え付けた一郎たちは、5月2日から7日の間に完全な浮葉である第4葉を出葉。九郎たち後発隊は、5月16日から20日の間に第4葉を出葉。
  • 5月31日、一郎(pot1)、二郎(pot2)、九郎(pot3)、四郎(pot4)、八郎(pot5)、五郎と十郎(pot6)をオニバス池に移植。この時点までに出葉した数は、一郎、二郎、四郎は10枚、八郎は9枚、十郎は7枚、五郎は6枚、九郎5枚。
  • 2024年は、2021年同様、10月中旬までは緑が残っていて、10月下旬に完全に枯れた。ちなみに、2022年と2023年は9月の終わりから10月の初めに枯死。
  • オニバスを植えたポットのサイズは、直径1.5メートル弱深さ0.3メートル弱で体積およそ500リットル。各オニバスの配置は右図の通り。

    オニバス配置図オニバス配置図

  • 2024年は途中で消滅してしまう株が多かった。三郎4代目、五郎3代目はバックヤードでの生育途中に枯死。代わりに、三郎5代目(第4葉5/20)は5/19から、五郎4代目(第4葉5/17)は5/13から代替わりして栽培開始。
  • オニバス池に移植後の五郎4代目と十郎は7月15日に、九郎は8月27日にオタマジャクシとカメの食害で消滅。
  • pot6の五郎と十郎が枯死した後、代わりに七郎(7/15から)と六郎(7/28から)をpot6に移植。pot3の九郎の衰弱が激しかったので、8/7に三郎をpot3に移植。
  • 十一郎は、5号ポリポットに植えられた状態まま、最後までバックヤードで栽培。
 
葉の様子
  • オニバス池移植時の葉の数は、11枚に届いておらず2021年以降最少。大きさも10センチメートル前後で、2022年以降最小。
  • 初めからオニバス池にいたグループの最終的な葉の数は過去最多。2021年から2023年は、50枚を超えることはなかったが、2024年は少ないものでも56枚出葉。多いものは65枚出葉。
  • 葉の大きさの最大値は例年並みで130センチメートル前後。ただし、最大葉が出現した時の葉数が37枚目から39枚目と遅かった。その分、時期的にも例年より遅くなり、9月の上旬に最大葉が出現。
  • 後からオニバス池に入ったグループの葉の最大値は100センチメートルをやっと超える程度。葉の数は30枚をやっと超える程度。
  • 9月の下旬から10月始めにかけて、新たな葉の生成は停止。
花の様子
  • オニバス池に5月31日に移植された一郎、二郎、四郎、八郎は6月21日から順次花を咲かせ始め、9月26日頃に最後の花を咲かせて終了。二郎だけ10月2日まで花を咲かせた。今年は、7月25日頃まで開花からしばらくの間、閉鎖花が続いた。
  • 一郎たちの花の数は過去最高で60輪以上。
  • 途中からオニバス池に移植された三郎、六郎、七郎の花数は30輪程度。バックヤードの十一郎は11輪。

オニバス葉 大きさ

2024年(令和6年)のオニバスたちの各葉の最大値を計測。下のグラフと表はその結果。

グラフ1fig.1 オニバス池で始めから最後まで生育した株の全ての葉の最大値とその平均値を示す。縦軸は葉の縦の長さ(単位センチメートル)。横軸は出葉数。

グラフ2fig.2 途中から最後まで生育した株と途中で枯死した株の全ての葉の最大値を示す。七郎は未計測。縦軸は葉の縦の長さ(単位センチメートル)。横軸は出葉数。

各個体の最大値とその出葉日
  一郎 二郎 四郎 八郎 三郎 六郎
最大値(cm) 129.0 113.4 130.5 130.0 108.0 100.0
出葉日 8/29 8/20 8/27 8/21 8/27 8/26
* 七郎は葉が混みすぎていて、葉の順番の特定ができなかったので未計測。
  • 始めから最後までオニバス池にいた株たちは、一郎と四郎は39枚目、二郎と八郎は33枚目に最大値を記録した。大きさは一郎、四郎、八郎がおよそ130センチメートル、二郎は113センチメートルで二郎だけが小さかった。
  • それ以外の株のうち、途中で枯れてしまった五郎、九郎、十郎はオニバス池に移植後まもなくオタマジャクシの食害にあって、新しい葉をほとんど展開させられなかったため、最大でも長径が20センチメートル以下。
  • 途中からオニバス池に移植された三郎、六郎、七郎は、移植後急激に葉が大きくなり、最終的に三郎108センチメートル、六郎100センチメートルまで成長した(七郎は未計測)。
  • 6月20日頃から7月5日頃まで続いたオタマジャクシの食害の影響で、一郎、二郎、四郎、八郎の14枚目から18枚目までは大きくなれなかった。五郎、九郎、十郎は葉の数が少なく大きさも小さかったせいか、全ての葉が消滅した。
  • 最大葉の出現が33枚目や39枚目と、例年の20数枚目に比べてかなり遅かった。時期的にも9月に入ってからで、例年の8月半ば過ぎに比べて遅かった。
  • ただ、最大値を記録した葉の出葉数が、オニバス池に移ってから出葉した葉の数のほぼ中央値になっている点は例年通り。

オニバス 葉の数と花の数

2024年(令和6年)のオニバスたちの葉と花の総数を計数。下のグラフと表はその結果。

グラフ3fig.3 オニバス池で始めから最後まで生育した株の葉と花の総数。

グラフ4fig.4 途中から最後まで生育した株とバックヤードで生育した十一郎の葉と花の総数。七郎の花数は未計測。

2024年に最後まで栽培した株の葉と花の総数
name 一郎 二郎 四郎 八郎 三郎 六郎 七郎 十一郎
葉の数 56 65 64 56 33 31 32 26
花の数 60 69 64 69 31 31 - 11
葉について
  • 葉の数はオニバス池に移植した一郎、二郎、四郎、八郎、三郎、六郎、七郎とバックヤードに残った十一郎の計測値を掲載。
  • オニバス池で生育した株の葉の総数は、昨年と異なり株間で差が出た。オニバス池での生育期間が短かった三郎と六郎と七郎は、葉の総数が31枚と少なかった。例年通りに生育した一郎、二郎、四郎、八郎たちは、全員葉の総数が60枚を超えたが、4株の間で最大9枚の差が出た。
  • 昨年同様にはじめから最後までオニバス池で生育した株たちの50後半から60を超える葉数は、昨年以前の40枚前後という数に比べてかなり多かった。
花について
  • 花の数は、七郎を除いた株について計数した。
  • 例年通りに育成した一郎、二郎、四郎、八郎たちは、全て60輪を超えており、花数もこれまでになく多かった。
  • バックヤードで生育した十一郎は、11輪でこれまでのバックヤードで育った株たちと同等だった。
  • オニバス池での生育期間が短かった三郎と六郎と七郎は、その中間的な数値を示した。

オニバス葉の総数の日毎の推移

グラフ5fig.5 オニバス池で始めから生育した株の葉の総数の日毎の推移。五郎、九郎、十郎は途中で枯死。

グラフ6fig.6 途中から最後まで生育した株とバックヤードで生育した十一郎の葉の総数の日毎の推移。

上のグラフは、2024年に栽培した株の葉の総数の推移を示したもの。

  • 初めからオニバス池で生育した一郎、二郎、四郎、八郎の4株は、8月に入った頃から出葉のペースが早まり、それまで4,5日に1枚だったものが2日に1枚になった。その後、9月に入る頃から1日の出葉数が2枚以上になる日も出てきた。葉の出方がだんだん加速していく傾向がここまで強く見られたのは、2021年以降では初めて。
  • オニバス葉 大きさの項で示した最大葉の前後で出葉数がほぼ同じことと併せて見ると、まるで、最大の葉を出すまでに6月から8月にかけて出した葉数と同じ枚数の葉を、最大の葉を出した後、生育可能な9月中に是が非でも出しきるために急いでいたように見える。
  • 途中からオニバス池に入った六郎、七郎は出葉のペースが加速するような傾向は見られなかった。三郎は加速する傾向が最後に若干見られた。
  • バックヤードで生育した十一郎は、オニバス池の面々とは逆に8月の末から出葉のペースが減少していった。最初に植え付けた5号ポリポットのまま栽培したので、養分不足だった可能性が高い。
  • 三郎、六郎、七郎、十一郎は、6月の下旬から一月間ほど出葉ペースが停滞した。その間生育していたハウスの環境の影響か。

オニバス花の総数の日毎の推移

グラフ7fig.7 オニバス池で始めから最後まで生育した株の花の総数の日毎の推移。

  • 初めからオニバス池で生育した一郎、二郎、四郎、八郎の最初の花は、6月21日に一郎と四郎、6月22日に二郎、6月23日に八郎が開花。これまでとほぼ同じタイミングでおおよそ揃って開花。
  • 最後の花は、9月26日に一郎と八郎、9月27日に四郎、10月3日に二郎が開花。二郎が1人遅くまで咲かせたが、終わりのタイミングもほぼ同じと言えそう。
  • 今年は、7月の終わりまでひと月以上の間、閉鎖花が続いた。花数としておよそ10輪。オニバス池に移植した時の大きさが例年の1/2から2/3くらいと小さかったことが影響しているのか。
  • 最終的な花数は、2021年以降では最大値を記録した。
  • 一郎と四郎は、同じようなペースで開花した。7月の終わりまで閉鎖花が続いて開花頻度も小さかったが、その後ゆっくりと加速して最終的に60輪程度の花を咲かせた。
  • 二郎は、初めからペースがあまり変わらず、最後までゆっくりと加速しながら一番最後まで花をつけた。総数も69輪で八郎と共に最大数だった。
  • 八郎は、8月までは1番花数が少なくゆっくりとしたペースだったが、9月に入ってから急に加速して、最終的に二郎同様69輪の花を咲かせた。
  • 八郎は、1日に3輪以上咲かせる日が集中したため、1日あたりの花数が一番多く見えた。四郎も、3輪以上咲かせる日が比較的集中したので、八郎に次いで多く見えた。二郎は、花数自体は多かったが、1日あたりの花数は多くても2輪程度だったのであまり多く見えなかった。一郎は、1日あたりの花数が少なく、総数も少なかったので、少なく見えた。

グラフ8fig.8 途中から最後までオニバス池で生育した株とバックヤードで生育した十一郎の花の総数の日毎の推移。

  • 最初の花の開花日は、株ごとにバラバラだった。三郎は7月14日、六郎は7月8日、十一郎は7月24日。
  • 最後の花は、三郎は9月27日、六郎は9月23日、十一郎は9月21日。
  • 9月12日から、オニバス池で生育していた三郎と六郎が毎日のように花を咲かせるようになった。この傾向はオニバス池の他の株たちと同じ。
  • バックヤードの十一郎は花の大きさも小さかったが、開花頻度も少なかった。それでも、9月に入るころから開花頻度が高くなった。
 

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