オニバスの保護活動 データ編(令和4年)

更新日:2023年02月16日

於大公園のオニバス池とその周辺で栽培したオニバスたちの葉や花の数、葉の大きさの数値を以下に示します。

目次
オニバス 葉の数と花の数
オニバス葉 大きさの継時変化
開花から種子放出までの日数

オニバス 葉の数と花の数

令和4年のオニバスたちの葉の数と一部の株は花の数も数えてみました。

葉と花の数のグラフ

オニバス池の面々について
name 一郎 三郎 四郎 五郎 六郎
葉の数 44 40 46 42 43
花の数 55 49 - - -
  • 上の表は、オニバス池に移植した株の葉と花の総数。
  • オニバスを植えたポットのサイズは、直径1.5メートル弱深さ0.3メートル弱で体積およそ500リットル。
  • 葉の数はポット1〜5に移植した一郎、三郎、四郎、五郎、六郎について計測。オニバス池の株は最終的に40枚以上の葉を出した(ポット6に移植した七郎、九郎、十郎については葉が混みすぎていたため計測できなかった)。
  • 4月6日頃に発芽した種子から10株を選抜し、第3葉が出始めた4月21日にポリポットに移植。この時、一郎から十郎まで命名した。6月1日に8株を選抜してオニバス池に移植。オニバス池に移植した時点で、通算11枚目(トゲのある葉の2枚目)が出ていた。6月半ばまでは4、5日に1枚のペースで新葉が出現。7月末までは3、4日に1枚。8月にはさらにペースが上がり、半ばを過ぎると1日のうちに2枚という日もあった。一郎9月8日、三郎9月11日、四郎9月12日、五郎9月21日、六郎9月22日に最後の新葉が出て新しい葉の生成は終了。
  • 花の数は、一郎と三郎のみ計測。オニバス池の株は50輪程度の花をつけた。一郎は最初の花は花弁が開かない閉鎖花だったがその後は全て開放花だった。三郎は初めから全て開放花だった。
  • 一郎6月24日、三郎6月25日に最初の花が咲いてから8月の半ばまでは2、3日に1輪のペースで花をつけ、その後ペースが上がり9月の半ばまで1日から2日に1輪から3輪開花。最後の花は、一郎9月14日、三郎9月13日。
オニバス池以外の面々
name 二郎 八郎 One Two Soto Soro Loto
葉の数 25 25 24 22 30 24 24
花の数 - - 11 12 10 8 9
  • 上の表は、バックヤードやオニバス池の外のバットで栽培した株の数値。
  • オニバスを植えたポットのサイズは、園芸用15センチポリポット。体積は3リットル弱。
  • 葉の数は、全ての株について計測。多いもので30枚、少ないもので22枚、平均的には25枚程度の出葉数。オニバス池の株たちに比べて少ない。
  • 二郎と八郎は一郎たちと同様4月6日頃に発芽して4月21日にポリポットに移植し、オニバス池に移すことなくそのままバックヤードでポリポットのまま栽培した株。6月の初旬までは2、3日に1枚の頻度で新葉が出ていた。その後ペースが落ちて7日から10日に1枚の頻度になり、二郎は9月8日、八郎は9月22日に最後の葉を出して葉の生成は終了。
  • OneとTwoは一郎たちから数日遅れて発芽した株で、第3葉が出た5月4日にポリポットに移植してバックヤードのハウスで栽培した株。Oneはほぼ球状の標準的な外観の種子でTwoは小ぶりで瓢箪の様な外観の種子。5月中は3枚しか新葉を出さなかった。6月初旬から7月初旬まで3から5日に1枚のペースで新葉を出したが、7月の中旬からは再びペースが落ちて7日から10日に1枚になった。Oneが9月24日、Twoが9月15日に最後の葉を出して新葉の生成は終了。OneとTwoは種子の形や大きさに差があったが、結果的に葉や花の数に差はほとんどなかった。ただし、葉の大きさには大きな差があった。小振りで瓢箪型の種子から育ったTwoの方が直径が倍くらいの大きさの葉を出した。
  • Sotoは一郎たちと同様4月6日頃に発芽した株を第4葉が出た5月7日にポリポットに移植してオニバス池の外のバットで栽培した株。5月21日に第6葉が出るまでは7日に1枚だったが、その後は6月下旬までは3、4日に1枚のペースで新葉を生成。7月に入るとペースが落ちて、7日から10日に1枚になった。10月8日に最後の葉を出して新葉の生成は終了。オニバス池やバックヤードのものに比べると遅くまで活動していた。
  • SoroとLotoは、昨年からオニバス池の外のバットに入れっぱなしにしてあったポリポットから自然に生えてきた株。5月20日に第3葉を確認しているので、発芽はその数日前。6月下旬までは3、4日に1枚のペースで新葉を生成。7月に入るとペースが落ちて、7日から10日に1枚になった。Soroは10月7日、Lotoは10月11日に最後の葉を出して新葉の生成は終了。オニバス池やバックヤードのものに比べると遅くまで活動していた。
  • 花の数は、オニバス池の外で栽培したSoto、Soro、LotoとバックヤードのOneとTwoについて計測。多いもので12輪、少ないもので8輪。オニバス池のものに比べるとかなり少ない。花の形態は、開放花が多かったが閉鎖花もあった。
  • Sotoは7月5日、Soroは7月13日、Lotoは7月14日、Oneは7月16日、Twoは7月21日に最初の花を咲かせた。最後の花は、Soto10月5日、Soro9月11日、Loto9月14日、One9月30日、Two9月23日。開花のペースは株ごとに色々で、ほぼ均一の間隔でポツリポツリと咲かせるものや、9月に入ってから次々咲かせるものなどがあり、一定の傾向は見られなかった。

オニバス葉 大きさの継時変化

令和4年のオニバスたちの葉の大きさをおよそ10日ごとに計測しました。下のグラフと表はその結果です。

葉の大きさの推移のグラフ

オニバス池の面々について
date 一郎 三郎 四郎 五郎 六郎 七郎 九郎 十郎
5/25 9     10        
6/9 20 16.5 17 15 16 15.5 19 18
6/18 30 26 30 28 26.5 28 30 31
6/28 54 45 49.5 49 47.5 49.5 53 57
7/7 76 71 68 72 67.5 78 78 89
7/16 97 91.5 81 99 91 101 98 108
7/26 112 109 93 117 113 107 110 110.5
8/4 117 121.5 114 127.5 125.5 110 112.5 108
8/13 120 123 121 130 126 103 113 105.5
8/23 118 124 126 122 126 83.5 70 83
9/1 110 122 124 117 117 76 72 59
9/10 85 99 118 82 105 43 53 53
9/17 36 44 63.5 37 53.5 36 30 33.5
9/24 27 30 40 27 26.5 31 31 33
  • 2022年の一番大きな葉は、五郎の130センチメートルでした。
  • ここ愛知県知多郡東浦町の於大公園では、オニバスの葉は4月初旬に発芽して、4月中頃に出てくる2〜3センチメートルの第2葉(第1葉は針状なので大きさは表現しにくい)から数日おきに1枚ずつ新しい葉を出すごとにサイズアップしていきます。8月の中頃から後半に最大になり、その後、新しく出る葉の大きさが登ってきた時と同じくらいかそれ以上の勢いで小さくなっていきました。9月の中頃から後半に最後の葉が出て20センチメートルほどまで成長して活動を停止しました。
  • 一郎、三郎、五郎、六郎はムラのない成長過程を見せてくれました。
  • 四郎は6月26日から10日間ほどオタマジャクシの食害にあい、途中勢いを落としましたが最終的には十分な大きさに成長しました。葉の数自体が他の株より少し多かったのは、失われた分を取り返したということなのでしょうか。
  • 七郎、九郎、十郎は出だしの勢いが良かったように見えます。この3株は一つのポットに共存させましたが、もしかして、他者の存在を感知して先行逃げ切りを狙ったのでしょうか。何れにしても、一郎たちより早い時点で葉の拡大が止まってしまい、数値的には110センチメートルくらいまでにしかなりませんでした。根を張れる空間が小さくなってしまったからでしょうか。その後は、緩やかに縮小していって、最終的には他の株たちと同じくらいの時期に同じくらいの大きさで活動を停止しました。

開花から種子放出までの日数

開花から結実して種子を放出するまでの日数を、一郎とSotoとSoroについて下表に示します。

一郎の場合
一郎
開花日 種子放出日 日数 備考
6/24 7/15 21日 未熟種子のみ
6/27 7/20 23日  
6/29 7/23 24日  
7/2 7/26 24日  
7/4 7/30 26日  
7/8 8/2 25日  
7/11 8/12 32日  
7/15 8/8 24日  
7/17 8/10 24日  
7/20 8/15 26日  
7/21 8/15 25日  
7/24 8/19 26日  
7/26 8/23 28日  
8/2 8/30 28日  
8/4 9/1 28日  
8/5 9/2 28日  
8/8 9/5 28日  
8/9 9/6 28日  
8/12 9/9 28日  
8/15 9/12 28日  
8/15 9/12 28日  
8/16 9/14 29日  
8/19 9/17 29日  
8/19 9/17 29日  
8/19 9/17 29日  
8/20 9/17 28日  
8/22 9/19 28日  
8/23 9/20 28日  
8/23 9/20 28日  
8/23 9/21 29日  
8/26 9/24 29日  
8/26 9/24 29日  
8/27 9/24 28日  
8/28 9/25 28日  
8/29 9/26 28日  
8/30 9/29 30日  
8/30 9/28 29日  
8/30 9/28 29日  
9/1 9/29 28日  
  • 一郎は、オニバス池の中で栽培した株。直径が1メートルを超える葉を出した大きな個体。
  • 7月24日までに咲いた花は、種子を放出するまでの期間が24日前後だった。
  • 7月26日以降に咲いた花は、種子を放出するまでの期間が29日前後だった。同じオニバス池で栽培された三郎にも同じ傾向が見られた。ある日を境に突然期間が伸びたように見える。
  • 全部で55輪咲いた中で、最初の花は結実しなかった。また、9月2日以降に開花した花については、種子が放出される前に池の水が無くなったので、通常のようには果実が成熟せず種子の放出も上手く観測できなかった。最終的に、39輪について種子の放出を確認できた。
Sotoの場合
Soto
開花日 種子放出日 日数 備考
7/5 8/1 27日  
7/13 8/3 21日 未熟種子のみ
7/20 8/13 24日  
7/26 8/20 25日  
8/2 8/27 25日  
8/16 9/2 17日 未熟種子のみ
8/23 9/17 25日  
8/28 9/23 26日  
9/3 10/1 28日  
10/5 消滅    
  • Sotoはオニバス池の外のバットで栽培した株。葉の直径が最大でも20センチメートルほどの小さな個体。
  • 種子放出までの日数は、ほぼ全期間を通して25日前後だった。ただし、最初(7/5)と最後(9/3)の花はそれぞれ27日と28日だった。
  • オニバス池の外のバットで栽培したSotoは、株も花も果実も小振りで種子の数も少なかったが、種子の大きさはオニバス池で栽培したものと同程度のものが多かった。
  • 全部で10輪咲いた中で、種子が未熟なままで成長しなかった果実が2個あった。最後の花は途中で果実が消失した。
Soroの場合
Soro
開花日 種子放出日 日数 備考
7/13 消滅    
7/21 消滅    
7/30 消滅    
8/10 9/1 22日 未熟種子のみ
8/17 消滅    
8/26 9/20 25日  
9/2 9/30 28日  
9/11 9/25 14日 未熟種子のみ
  • Soroもオニバス池の外のバットで栽培した株。葉の直径が最大でも20センチメートルほどの小さな個体。
  • 種子放出までの日数は、25日と28日。
  • Soto同様、株も花も果実も小振りで種子の数も少なかったが、種子の大きさはオニバス池で栽培したものと同程度のものが多かった。
  • 全部で8輪咲いた中で、種子を放出したのは2輪だけだった。残りの6輪は開花後しばらくして消失したり、種子が未熟な状態で果実が炸裂した。
 

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