絶滅危惧種「オニバス」の保護活動について(令和6年)
未来へ残そう!飛山池のオニバス
日本産オニバスは、「レッドデータブックあいち2015」で絶滅危惧1.A類(ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)、国のレッドデータブックでも絶滅危惧2.類(絶滅の危険が増大している種)とランク付けされるなど、愛知県だけでなく全国的に自生地が激減し絶滅が危惧されています。
愛知県では、以前は各地で野生種と栽培種の生存が確認されていましたが、近年では減少しています。東浦町では於大公園による保全活動の成果もあり、2014年に飛山池でオニバスの生育を確認しました。
2012年にはオニバスの生息記録が残る名古屋城の外堀で生育が確認されるなど、愛知県内では少しずつではありますが回復に向かっています。今後も東浦町は、於大公園内での生息域外保全や小学校等との連携により、オニバスの保全活動を進めていきます。
オニバス池は於大公園沿道北方面に位置し、370平方メートル、外周75.6メートルの池です。
令和6年のオニバス
令和6年12月17日
オニバス池

12月17日、オニバス池のオニバス栽培用ポットの土出しが完了しました。
これで本年のオニバス関連作業は終了です。
オニバスたちは、今、とある場所で種子の状態でお休み中です。
また来年、5月の終わりから6月の初めにオニバス池に戻ってきます。
令和6年10月31日
バックヤード
10月31日、バックヤードで暮らしていた十一郎くんが、最後の種子を放出しました。
それと同時に、最後の葉も枯れて寿命を全うしました。
これで、春から共に成長してきた一郎くんから十一郎くんまでの11株のオニバスたちは全員寿命を迎えました。
今年は、6月の末から7月にかけてオタマジャクシの食害が例年になく酷くて、五郎くんと十郎くんが7月半ばに、九郎くんが8月末に消えてしまい、それぞれ、七郎くんに7月15日から、六郎くんに7月28日から、三郎くんに8月7日から後を継いでもらいました。そのため、十一郎くんを除く、ほぼ全員がオニバス池で暮らすことになりました。
結果として一人バックヤードで暮らすことになった十一郎くん、オニバス池の面々に比べると、10日ほど長生きでした。
その十一郎くん、1回に4個から9個の種子を放出して、6個の果実から合計39個の種子を回収しました。
来年以降、十一郎くんの子供たちとオニバス池で会えるかもしれません。お楽しみに。
令和6年10月20日
オニバス池

10月20日、今年のオニバス池の面々も完全に枯れました。また来年お会いしましょう。
今年は、先一昨年と同じくらい遅くまで葉の緑が残っていました。昨年、一昨年はもう少し早く、10月に入る頃には枯れていました。
自然生え株第6葉20241005
ところで、9月17日の記事で第4葉を出している自然生えのオニバスを紹介していますが、オニバス池で遅がけに発芽したこの株は、10月3日に6枚目の葉が出た後、10月6日にはほとんど枯れて翌10月7日には完全に消えてしまいました。
オニバス池の一郎くんたちも、9月が終わる頃には新しい葉は出なくなり、10月2日に二郎くんが最後の葉を出した後10月6日頃には成長が完全に止まりました。ちなみに、一郎第56葉、二郎第65葉、三郎第33葉、四郎第64葉、六郎第31葉、七郎第32葉、八郎第56葉が最後の葉でした。
始まりの時は、4月から6月くらいまでわらわらと発芽して、何なら9月になっても出てくるものがいますが、終わりの時には、その時が来ると、発生から間もないものも、ゆっくり生育したものも、生活期間や葉の数に関係なくほとんど一斉に成長を止めてしまいます。
まるで、その年の終わりの時は初めから決まっていたかのようです。
令和6年10月12日
オニバス池

10月9日の二郎くんの株元の様子です。
水が引いて全体が露出したので、果実がはっきり見えています。
この景色、実は普通は見ることのできないものです。オニバスの果実や株元は通常水中に没しているからです。野生のものも栽培されているものも、意図的に水を抜かない限りこの写真のような状態にはなりません。
二郎20241011
本来水上には無いものを無理やり出してしまったせいか何となく違和感がありますし、変わった形の果実がある種"鬼感"満載で目を惹くせいか、ポットの上に鎮座するオニバスを見て「あれは何?」とお尋ねになる方が大勢いらっしゃいます。
この時期の於大公園オニバス池ならではの光景といえば光景です。

10月12日、オニバス池の水位がかなり下がってオニバスたちも完全に水から出てしまい、葉も枯れ始めたので、小さ過ぎない果実を全て回収しました。
まだ割れていないもの48個とすでに果皮が崩壊しているもの数個を回収できました。回収した果実は於大公園のオニバスたちの故郷飛山池に散布してきました。
大きい果実の種子
今回大きめの果実には100個程度、1番小さい果実には67個の種子が入っていました。
種子の大きさは、見た目の大きなものは長径が10ミリメートルほど、小さいものは長径が6ミリメートルほどでした。
小さめの種子
(参照:飛山池においてのオニバス保護活動)
令和6年10月5日
オニバス池

手前の花65輪目,奥の花64輪目
9月29日の記事で今年の花は終わった、と書きましたが、二郎くんだけ10月2日と3日に1輪ずつ咲かせていました。
これで本当に最後です。最終的に65輪咲きました。
ちなみに、一郎くんは56輪、四郎くんは64輪、八郎くんは56輪でした。数値に不思議な偏りがあるように見えますが、たまたまでしょうか。

一郎の中心部

二郎の中心部

四郎の中心部

八郎の中心部
上の4枚の写真は、10月初旬のオニバスたちの株元を上から見た様子です。
果柄に赤みがさして不思議な美しさがあります。
八郎の花20240913
元々、花柄は白っぽいのですが、水中に倒れ込む頃から赤くなるようです。
六郎の中心部
でも、それは一郎くんたちのように大きな株の場合で、六郎くんや七郎くんや三郎くんのように途中からオニバス池に来て、あまり大きくなっていない株の果柄はそれほど赤くなっていません。
大きなオニバスくんたちは中心部が水面の上に出るようになるので、もしかするとこの色は単なる日焼けでしょうか。
オニバス池から飛山池

オニバスの果実
10月5日、大きそうな果実を6個回収しました。
10月2日に続いて2回目です。
種子-果実1個分
一つ割って中の種子の数を数えてみたところ、121個入っていました。
今回も数を数えて写真を撮った後、飛山池に持っていって、残りの果実と種子を池に流し入れてきました。
いつか無事に育って、花を咲かせ、実を結んでくれることを願っています。
令和6年10月3日
オニバス池から飛山池

オニバスの果実
10月2日にまだ炸裂していない果実を15個回収しました。飛山池に投入するためです。

果実の中の様子
果実の大きさは、幅がおよそ6から7センチメートルでした。

種子-果実1個分
中くらいの大きさの果実を開いて中の種子の数を数えてみたところ、96個入っていました。
同じような大きさのものが15個ありますから、全部で1000個以上の種子を回収できていると思います。
数を数えて写真を撮った後、飛山池に持っていって池に流し入れてきました。
いつか無事に育って、花を咲かせ、実を結んでくれることを願っています。
オニバス池

六郎の株元
10月3日時点の六郎くんの株元の様子です。
見える範囲で12個の果実の果柄が画面右方向に曲げられているのがわかります。
9月25日の記事で、「六郎くんが七郎くんの葉を侵食して、多少窮屈な思いをしたかも知れないけれどもほぼほぼ通常通り振る舞う形になった
」と書きましたが、上を覆っていた七郎くんの葉が溶けて無くなってみると、そうでもなかったかもしれない、という様子が見えてきました。
オニバスの花柄はかなりしっかりしていてふにゃふにゃした物ではありませんので、こんな風に曲げ伸ばすためには、弛まない強い力で押し続けなければならないはずです。
きっと、アスファルトを突き破るあの力を用いたのでしょう。
令和6年10月1日
バックヤード

10月1日に十一郎くんの果実が炸裂して種子が9個出てきました。
十一郎くんとしては2回目の種子放出です。1回目は9月20日で8個でした。
小さなポットに押し込められて窮屈な思いをしながらも、遭遇した環境の中で出来うる限りの成長をしてしっかりと種子も残してくれています。オニバスの強さの秘密を垣間見た様な気がします。

9月30日の26枚目の葉
ところで、9月30日に26枚目の葉が出ましたが、非常に小さく成長の兆しが見えません。
本年の葉は26枚目で打ち止めになりそうです。

まだ残っている果実
それ以前の葉はまだ枯れていないので、まだ残っている果実からも種子が放出されるかも知れません。もう少し、様子を見てみましょう。
令和6年9月29日
オニバス池

9月29日、ポット2にいる二郎くんの最後の花が咲いて、オニバス池、バックヤード含めて本年のオニバスの花が全て終了しました。
ちなみに、他のメンバーの最後の花は以下の通り。
- 一郎 9/26 ポット1
- 三郎 9/27 ポット3
- 四郎 9/28 ポット4
- 八郎 9/28 ポット5
- 六郎 9/23 ポット6
- 七郎 9/24 ポット6
- 十一郎 9/21 バックヤード
令和6年9月25日
オニバス池

9月24日、三郎くんも花数が増えてきました。
それまで1輪ずつ咲いていましたが、24日に3輪同時に咲かせて前日の花と合わせて4輪同時に開いている状態になっていました。
三郎くんは遅がけにオニバス池に来たので、始めからいる一郎くんたちとは違って全体に細身で小ぢんまりしています。そんな三郎くんなので、4輪の花の存在が大きく見え、他の面々に比べて全体として可憐な印象を受けます。
正直、オニバスが可憐な印象を与えることがあることにちょっと驚いています。

六郎の花9/20

六郎の花9/23

六郎の花9/25
9月20日の記事で、六郎くんの花と七郎くんの葉のせめぎ合いの話を書きましたが、結論としては六郎くんが七郎くんの葉を侵食して、六郎くんとしては多少窮屈な思いをしたかも知れないけれどもほぼほぼ通常通り振る舞う形になった様です。
ところで、六郎くんと七郎くんは25日、26日と続けて花が出ていません。
本年度の花は終了したのでしょうか。もしそうなら、終了一番乗りですが、他の皆さんはまだ花がありますので、今年はいつもより遅くまで花が残っています。
昨年は、一番最後まで開花していた五郎くん二代目と六郎くん二代目が9月26日に終了しています。他の面々とそれ以前の年のオニバスたちは、9月半ばにはみんな花が終わっていましたから、今年の面々は全体に長く花をつけています。
一体何が理由でそうなったのか、知りたいところです。もしかして、暑さが長く続く気候が関係していたりするのでしょうか。
令和6年9月20日
オニバス池

遅がけにオニバス池に移ってきた六郎くん、小振りながらも花数が増えてきています。
今、隣の七郎くんの葉がちょうど株の中心の真上に来ているので、六郎くんの花たちは必ず七郎くんの葉を突き破って出てきます。
そして、開花した花は、株の外側に倒れながら沈もうとします。
が、七郎くんの葉が邪魔をしています。
花は沈もうとし、葉は浮き上がろうとしています。今のところ、花に押されて葉が沈み始めていますが、このまま葉っぱもろとも、あるいは葉を引き破って花が沈んでいくのでしょうか。それとも、葉が持ちこたえて、ほとんど水上に出た状態のまま果実が成熟していくのでしょうか。
勝負の行方が気になるところです。
令和6年9月17日
オニバス池

三郎くんのいるポット3と四郎くんのいるポット4の間に突然第4葉を浮かべてきました。
オニバス池の面々は葉も出し尽くし、花も盛りを迎えてぼちぼち店じまいしようというのに。
せっかく発芽したのに、残念ながらこのまま枯れていくことになるのでしょう。
高い気温のまま推移しているので、この後寒さがやってくるとは思えなかったのでしょうか。
令和6年9月13日
オニバス池

9月に入って花数が増えてきています。
写真は9月13日の八郎くんの花の様子です。
今年も9月に入ってから花数が増えてきましたが、今のところ、一度に開く花の数は3輪ほどです。
2021年には、一度に5輪以上の花が咲くこともあり、小振りで地味な花ながらそれなりの見応えがありましたが、2022年以降一度に咲く花の数は3輪程度の状況が続いています。
2021年と2022年以降で何が違っていたのか、気になるところです。
令和6年9月7日
オニバス池

七郎くんの花が、葉を突き破って咲いていました。これは、隣の株の葉が大きくなって、自身の中心、花芽の出るところを覆い隠すようになると見られる現象です。
ここ数年、ポット6では複数のオニバスに入ってもらって野生のオニバスたちがする様に花が葉を突き破って咲く様子を見ていただいていました。
今年は、オタマジャクシの食害にあって最初に入ってもらった五郎くんと十郎くんが消えてしまい、あらためて7月の中旬から七郎くんと六郎くんに入ってもらいましたが、日が浅いため葉っぱが小さくてお互いの中心部を覆うほどの大きさになかなか達っしませんでした。
ですが、ようやく1メートル近い大きさの葉を出す様になって、上に被さってくる邪魔者を花芽が突き破るようになりました。
野趣あふれるオニバスたちの様子を、この機会にぜひご覧ください。
令和6年9月3日
オニバス池

八郎の第33葉 9月3日計測時
9月3日にオニバス池の面々の葉の大きさを測りました。

第33葉の計測値:130cm
8月21日の記事で今年は遅がけに大きな葉が出ています、と書きましたが、さらに成長して八郎くんと四郎くんが130センチメートルの葉を出していました。八郎くんが33枚目、四郎くんが37枚目です。
一郎くんは第36葉の128センチメートルが最大、二郎くんは第33葉の113cmが最大でした。
成長に時間がかかったのは、スタート時点で小振りだったことが影響しているのでしょうか。オタマジャクシのいつもより強めの攻撃の影響でしょうか。これまでよりもさらに厳しい酷暑の影響もあるかもしれません。
いずれにしても、最終的には、ほぼ例年並みの大きさまで成長してくれました。
令和6年9月1日
オニバス池

9月1日の二郎くんの花の様子です。
オニバス池のオニバスくんたち、ここ数日、2輪ずつ花が見られる様になってきました。
オニバスの花は小ぶりで地味なのでこれまでの様に1輪ずつ咲いていても「花が咲いている感」があまり有りません。それでも、数輪まとめて開いてくれると「咲いている感」が出てきます。
そして、この後もう少しすると、一度に数輪ずつ花をつけてくれる様になるはずです。
たくさん咲いても、近くで咲いている熱帯スイレンの花ほど派手ませんが、毎年楽しみにしている風景のひとつです。
令和6年8月21日
オニバス池

八郎 8月21日の様子
前回葉っぱの大きさを計測した時には、例年なら大きさのピークを迎える時期にやっと1メートルを超えた、と報告しましたが、今回、それから1週間、30枚目を超えてきてさらに大きくなっていました。
特に、八郎くんは第31葉が123センチメートルになりこれまでと比べてそれほど小さくない数字を叩き出してきました。
他の面々も、一郎くんが第32葉114センチメートル、二郎くんが第31葉106センチメートル、四郎くんが第33葉113センチメートルと前回計測時より大きくなっていました。
この後さらに成長してくれれば、最終的には例年並みの大きさまでいってくれるかもしれません。
まだまだ目が離せなくなってきました。
ちなみに、遅がけにオニバス池に移植された六郎くんと三郎くんはそれぞれ第23葉51センチメートル、第21葉39センチメートルでした。こちらはまだ葉数的に余裕があるのでこの先の展開が楽しみです。最終的に何枚の葉が出て、どこまで大きくなるのでしょうか。
令和6年8月14日
オニバス池

一郎 8月14日の様子
8月14日、オニバスたちの葉の大きさを測ってみたら、一郎くんの27枚目が105センチメートルで28枚目が101センチメートルと1メートルをかろうじて超えていました。
八郎くんも26,27枚目が100センチメートル、28枚目が106センチメートルとかろうじて超えていましたが、二郎くんと四郎くんは1メートルに届いていませんでした。
毎年26枚目から28枚目くらいで最大値を記録しますから、今年は、小さめに収まりそうです。
スタート時点で小さかったのと、オタマジャクシの食害が例年になく激しかったことが影響しているのかもしれません。
花は今の所順調そうですので、8月の終わりから9月の半ばにかけての花の時期に期待したいと思います。
ちなみに、遅がけにオニバス池に入ってもらった、七郎くん、六郎くん、三郎くんは現在19枚目の葉が出ており、大きさは30センチメートル弱です。
ピークまでまだ余裕がありますが、最終的にどこまで大きくなってくれるのか、気になるところです。


8月13日時点の九郎くん。一応2枚と水面に出る直前のもの1枚が有りました。
8月14日、九郎くんの葉が全て無くなっていました。8月13日にはまだ残っていたのに。
葉柄の根本から食いちぎられていますので、犯人はおそらく亀です。

8月15日時点の三郎くん。全く無傷です。
数日前から、2、3枚、小さめの熱帯スイレンの葉も葉柄の根元から齧られていましたが、同じポット3にいる三郎くんは全く齧られた様子がありません。
貪欲さがアカミミガメにしては控えめなので、おそらく、今オニバス池にいる亀はイシガメでしょう。
オニバスの葉が大きくなっているのでただでさえ見つけにくくなっているのに、今年は魚の数が多いのか、水が濁り気味なので、今の所全く探知できていません。
なんとか見つけ出して、退散願いたいところです。
令和6年8月7日
オニバス池

二郎 28枚目の葉

二郎 16輪目の花

二郎 8個目の果実
本日は全身トゲに覆われたオニバスのトゲトゲを見ていただきます。
上の3枚の写真は左から、出たばかりの葉、花、いくらか膨らんできた果実を写したものです。
葉は展開する前の内向きにクルクル巻き込まれた状態なので、見えているトゲは将来裏側に配置されるものです。そして、見えていない部分にもトゲはみっちり配置されていますが、自身を傷つけない様にとても上手に収めています。
花は蕾の時に外側に露出していた部分には全てトゲが生えています。内側の花びらや蕊にはありません。そして、萼片の部分の棘はトゲ自体下向きに曲がっている上に生えている向きも下を向いています。邪魔するもの全てを突き破って花柄が伸びる時に少しでも抵抗を減らすためでしょうか。
果実のトゲは全方位にみっちり生えています。ガブリと丸齧りなんぞさせないぞ、という固い決意が見えてくるようです。

九郎くんに入ってもらっているポット3に三郎くんを投入しました。

8月7日時点の九郎くん。葉が殆どなく危うい感じです。
九郎くんはオタマジャクシの食害の影響が大きく、なかなか大きくなれません。最悪の場合、このまま消えてしまいそうです。
無人のポットを作りたくなかったので、今回、バックヤードでゆっくりこぢんまりと暮らしていた三郎くんに表舞台に移ってもらいました。
三郎くんは、現在第18葉を出しています。九郎くんは21葉であまり差がありませんが、一番生育の早い四郎くんは28葉なのでかなり差がついてしまっています。
この後、三郎くんが葉数的にも大きさ的にもどこまで追い上げられるのか、興味深いところです。
令和6年7月31日
オニバス池

八郎くんの果実が炸裂して、仮種皮に包まれた種子が水面を漂っていました。
7月9日に咲いた5番目の閉鎖花が結実したもので、開花から種子放出まで22日、初期の花らしく早めの種子放出でした。
たまたま、炸裂したばかりのところに遭遇できたので、種子を全数回収できました。
小ぶりな物がほとんどでしたが、数は58個有りました。
八郎くんの1番から4番目までの花は種子を放出することなく消えてしまいました。
今回のようにまとまった数の種子が放出されたのは他の株も含めて今年初めてです。
令和6年7月28日
オニバス池

青丸の中 第17葉 7月22日

青丸の中 第18葉 7月28日
7月15日にポット6に移植した七郎くんは、7月22日に出葉した移植後初めての第17葉はオタマジャクシに齧られてほとんど無くなってしまいました。
でも、その次の7月27日に出葉した第18葉は28日時点でほぼ無傷です。
オタマジャクシの攻撃も収まってきたのでしょうか。
この後無事に生育してくれることを期待したいと思います。

7月28日、七郎くんが大丈夫そうなので、バックヤードにいた六郎くんにもポット6に入ってもらいました。
六郎くんは、28日時点で第18葉が出始めているところです。
葉の数は同じですが、六郎くんは、七郎くんよりも全体に大きくしっかりしています。
この後、2人がどこまで成長するのか、成長過程に違いは出るのか、目が離せなくなってきました。
令和6年7月21日
オニバス池

7月21日、二郎くんが開放花を咲かせました。9輪目でやっと花びらを見せてくれました。
二郎くんと同じくらい生育している、一郎くん、四郎くん、八郎くんは、まだ6から7輪目で花びらを見せてくれていません。
7月15日の記事でも書きましたが、今年はなかなか花びらを見せてくれませんが、ここからでしょうか。
他の面々の動向も含めて、この後の展開が楽しみです。
ちなみに、九郎くんは新たな葉っぱが出てきてはいるものの瀕死の状態が続いていますし、新しいメンバーの七郎くんは小さくて柔らかい葉っぱをオタマジャクシに齧られて花どころではありません。



オニバス池の縁に移植した熱帯スイレンが花を咲かせ始めました。
淡い紫、紫、ピンクの3色とも咲いています。
あまり肥沃な場所では無いので、花数は多くありませんが、オニバス池にお越しの際は、池の縁もご覧になってみてください。
令和6年7月15日
バックヤード

小さくて十分開きませんでしたが、花びらを見せていました。
オニバス池の面々も含めて、今シーズン初の開放花です。今年はようやく花びらを見ることができました。
昨年までは、6月24日前後に花が咲き始めるとすぐに、ほぼ全て開放花が咲いていたのですが、今年は今日まで全て閉鎖花でした。
これまでと何が違っているのでしょうか。

7月15日、一郎くんと四郎くんの最初に咲いた閉鎖花が種子を放出していました。
どちらも6月21日に開花して、24日目の今日、果実が炸裂しました。
見つけた時にはすでにあちらこちらに漂い出てしまっていたので、正確な種子の数は分かりませんが、散らばっているところをざっと数えると一郎は2,3個、四郎は5,6個といったところでしょうか。
まだ全体に小さいので、種子は小さく数も少ないですね。


全草を食べられた十郎・7月14日
ポット6にいてオタマジャクシに全草を齧られてしまった十郎くんと五郎くんですが、再生の兆しがないので、バックヤードにいた七郎くんにポット6に入ってもらいました。
まだ、オタマジャクシはいるので、七郎くんも食べられてしまうかも知れません。心配ですね。
令和6年7月1日
オニバス池

十郎・6月29日

十郎・7月1日
6月29日の記事で、ポット4とポット6にいる四郎くんと五郎くんと十郎くんのオタマジャクシによる食害が特に大きいと書きましたが、五郎くんと十郎くんはついに葉っぱが全てなくなって(葉脈は細々と残っています)、新たな新芽も齧られてしまいました。
非常に良くない状況に見えますが、この後復活してくれるのでしょうか。
それとも、このまま齧られ続けるうちに枯れてしまうのでしょうか。
目が離せなくなってきました。

九郎第14葉・6月28日

九郎第14葉・6月29日
九郎くんも新芽を齧られています。
まだ、開く前のぐるぐる巻きの状態で棘を全方位に向けて展開しているのに、全く効果はない様です。
水面に出て広がった時に、わずかに棘だけが残っている様子が痛々しいです。
九郎くんも、五郎くんや十郎くん同様、まだ株があまり大きくなっていない状態で被害に会っています。
心配ですね。
令和6年6月29日
オニバス池

今年はオタマジャクシとアカミミガメの食害がかなり激しいです。ポットに植えた四郎くんたちだけではなく、周辺部の自然生えのものは葉っぱがほとんどなくなってしまっています。
右の写真は6月29日に水面に展開したばかりの四郎くんの第17葉です。水中にあるうちにオタマジャクシに葉脈だけ残して葉身がほとんど齧られてしまっています(オタマジャクシは大きな葉の葉脈には歯が立たないようです)。
下の写真は6月16日に出葉した第14葉です。6月26日から28日までアカミミガメに齧られて、その後、オタマジャクシにも齧られてしまって、わずかな葉脈と葉身を残してほとんど無くなってしまっています。
今の所、被害が大きいのはポット4とポット6にいる四郎くんと五郎くんと十郎くんです。その他の面々も被害は受けていますが、まだそれほど大きなものではありません。
カメは大きくて数が少ないので見つけ出して排除できますが、オタマジャクシは数が多すぎてどうにもなりません。早くカエルになって出て行ってもらいたいものです。
令和6年6月23日
オニバス池

6月20日、二郎くんが花芽を出していました。
翌6月21日、一郎くん、四郎くん、八郎くんも花芽が出ていました。
そして、6月23日時点で花びらを見せていませんので、最初の花は閉鎖花としてこのまま沈んでいくことでしょう。実際、四郎くんは23日には新しい花芽が出て最初の花は開かないまま沈み始めています。
最初の花が開かなかったのは、昨年以前に比べて皆小柄なので、まだ水深が深すぎたのかもしれませんし、そもそも、昨年(2023,R5)に比べて1日、一昨年(2022,R4)と比べて2日ほど早い花付きなので、早すぎたということもあるかも知れません。
さて、このところ何となく、年々最初の着花が早まって最盛期の花数が少なくなってきています。今年は、ここ最近で最盛期の花数が一番多かった先一昨年(2021,R3)の6月29日に比べて10日近く早くなっていますが、一体、どんな咲き方をしてくれるのでしょう。乞うご期待、と言って良いのでしょうか。

6月17日にオニバス池に移植した熱帯スイレンですが、さっそくオタマジャクシに新芽を齧られていました。
小さい葉っぱほど被害に遭いやすい様です。それだけ柔らかくて食べやすいのでしょうね。
今のところ枯死するほどのダメージはない様ですし、ある程度以上大きな株の新芽はかじられていないので、みんな、早く大きくなってオタマジャクシに打ち勝ってほしいところです。
令和6年6月17日
オニバス池

6月17日時点で一郎くんは第14葉が出ています。
4月23日にポットに植えた他の仲間たちは、二郎くんと四郎くんが14枚目の葉を出していて、八郎くんはまだ第13葉です。オニバス池に移動した時点でもそうでしたが、今のところまだ、昨年よりも若干ゆっくりしている様です。ちなみに、遅がけに発芽して5月7日にポットに植えた九郎くんは10枚目、十郎くんが11枚目で、5月13日からメンバーに加わってもらった自然生え出身の五郎くんが8枚目です。
長さは22センチメートルほどで、昨年この時点で一番小さかったお滝ちゃんより少し小さいくらいです。
この後、このまま昨年を下回るペースで成長していくのでしょうか。それとも、途中で追いつくのでしょうか。はたまた、追い越してしまう事もあるのでしょうか。
楽しみです。

一郎くんの第14葉の棘です。
葉の表のトゲは根元が太く、先に向かって急激に細くなり、緩くカーブしていて、バラの棘に似ています。
裏のトゲはまっすぐ伸びていて中央付近で少し膨らむものの細くて、針の様です。しかも、所によっては2本出ています。
さらに、葉柄にも棘があって、裏側のトゲよりさらに細い針の様で、葉よりはるかに高密度に生えています。
3種類のトゲを使いこなしています。コワイですね。
ところで、何のためなのでしょう。一般に、トゲは何かから身を守るために発達した、と言われていますが、表と裏と葉柄で別種の敵を想定していてそれぞれに最適の形状のものを作った、ということでしょうか。それとも、トゲになる元の器官の違いでしょうか。まさか、お洒落、ということはないと思いますが。
この後、花を咲かせる様になりますが、こちらも萼と花托と花柄でそれぞれ形の異なる棘を持っています。
根と花の中以外全身トゲに覆われているオニバスですが、なぜ部位によって形を変えているのか、不思議です。そもそも、3種類もの形の違う棘を持つ植物って他にいるのでしょうか。もし、実用的な意味があまり無いのだとすると、やはり、お洒落のためなのかも知れませんね。

熱帯スイレンをオニバス池に移植しました。
バックヤードで保管していたバルブやムカゴから出た芽も順調に生育してきて、新しい葉が定期的に出る様になってきたので、広い場所に移ってもらいました。
今年は、各ポットに2株ずつ植え付けました。
紫の花をつける品種を4株、ピンクの花をつける品種を4株、青っぽい紫の花をつける品種を2株です。
今年もいっぱい花を咲かせてくれることを期待してお世話をさせてもらおうと思っています。
令和6年6月7日
オニバス池

6月7日、オニバス池で自然生えのオニバスが第4葉を出していました。
5月13日に水を入れ始めてから25日目です。
そして、深さがある程度以上あると葉柄が螺旋を描きます(19センチメートルの深さに生えているものも螺旋を巻いていました)。

オタマジャクシがオニバスの葉を齧っていました。
毎年今頃から3週間ほど被害に遭います。
写真の中央に写っている葉は、たくさんのオタマジャクシが集まって一斉に齧り付いていたので、この写真を撮った翌日には葉柄を残してほとんど無くなっていました。
でも、すぐ近くにあった、すでに水面に出てしまっている葉っぱは噛み跡ひとつありませんでしたし、全く無視されていてそもそも集まってもいませんでした。
どうやら、まだ水中にある状態のものを齧る様です。
でも、水中にある葉っぱが全て狙われるわけでも無く、多くの葉はまだ水中にあっても全く無視されています。
かじられる葉とかじられない葉、常にではなく時期がある、なぜなんでしょう、気になります。
令和6年5月31日
オニバス池


5月31日、バックヤードで暮らしてもらっていたオニバスたちの中から、7株を選んでオニバス池に移動してもらいました。
配置は上の図の通りで、ポット1に一郎、ポット2に二郎、ポット3に九郎、ポット4に四郎、ポット5に八郎、ポット6には五郎と十郎の2株です。
一郎、二郎、四郎、八郎は、4月の半ば過ぎに発芽した株たちで、九郎と十郎は5月に入ってすぐくらいに発芽した株たちです。五郎は、最初に植えた3代目が枯れてしまった後5月13日に入ってもらった4代目で、発芽のタイミングは九郎たちと同じ頃です。
左の写真は移植したばかりの一郎くんですが、今年のメンバーは、昨年に比べると生育がゆっくりで、葉の大きさも小振りです(右のポット全体を写した写真を見ると小ささが良く分かります)。
この時点で、一郎、四郎、八郎はやっと第10葉が出たところで、二郎は第9葉までしか出ていません。遅がけに出芽した十郎は第7葉、五郎と九郎は第5葉が出たところです。昨年は、早いものは第11葉、遅いものでも第10葉が出ていましたから今年はゆっくりです。
葉の大きさも、今年は大きくても8.5センチメートルしかありません。昨年は20センチメートルを超えるものもいたので、半分以下の大きさです。
今年のメンバーはこの後どんな成長を見せてくれるのでしょうか。昨年は、出だし一番小さかったお滝ちゃんが最終的には一番大きくなっていました。もしかすると、今年の面々も大化けするかも知れません。乞うご期待、です。
令和6年5月23日
オニバス池

オニバス池の外に置いてある、オニバス観察用バットで、オニバスが発芽していました。現在、早いもので第4葉が出ているところです。
一昨年できた種子も入っているので、今年はたくさん発芽してきそうです。
今のところ8株発芽していますが、さらに増えるかもしれません。
いずれにしても、そのまま全員置いておくつもりです。結果、この狭い空間がどうなってしまうのか、興味深いところです。
ところで、今回、何者かによってポットが一つひっくり返されており、土がバットの底に広がってしまっています。そして、そこからも発芽しています。
水深や根の広がる空間の厚みと広がりの違いが、オニバスの生育に与える影響が見れるかもしれません。興味深いところです。
令和6年5月19日
バックヤード

5月19日、バックヤードで栽培中の4代目三郎くんの死亡が確認されました。第3葉が出た後、次が出ないまま今日まで来てしまい、ついにその第3葉が枯れてしまいました。
そんな折、三郎くんのポットに自然に生えてきた株があったので、5代目三郎くんとして後を継いでもらうことにしました。5月19日時点で第3葉が出ているところです。
以後、お見知り置きください。
中池

バックヤードで発芽していた種子を5月7日に中池に蒔いてありました。
5月19日、わずかに根付いたものがいました。現在、第4葉が出ています。
どれくらい生き残れるのか、注意して見ていこうと思っています。
令和6年5月13日
バックヤード

5月13日、バックヤードで栽培中の3代目五郎くんの死亡が確認されました。かろうじて出ていた第3葉が抜けて葉っぱがなくなってしまいました。瓢箪型の種子から発芽した唯一のメンバーだったのでとても残念です。
そんな折、八郎くんのポットに自然に生えてきた株がありました。第2葉が出ているところです。
八郎くんのポットに置いておくわけにもいかないので、空いてしまった五郎くんのポットに移ってもらいました。
今日から、4代目五郎くんとしてオニバス池デビューを目指してもらおうと思っています。
以後、お見知り置きください。

九郎

十郎

十一郎
今回、生育不良の株が多いので、5月7日から新たなメンバーに参加してもらっています。
九郎くん、十郎くん、十一郎くんの3株です。
九郎くんは、ちょっと瓢箪型っぽい形の種子です。まだ、第1葉が出たばかりです。
十郎くんは、昨年回収した種子です。前年産の種子は発芽率が低いですが、そんな中、発芽してきた種子です。第3葉が出始めています。
十一郎くんは、一昨年以前に回収した種子です。発芽すると最初に出てくる面白い形の突起からも発根している種子です。第2葉が出ています。
無事に成長してくれることを願いながら見守っていきたいと思っています。
こちらも、お見知り置きください。
令和6年5月6日
バックヤード

5月6日、バックヤードで生育中の四郎くん、一郎くん、二郎くんが5枚目の葉を出しています。葉の形もしっかりしていて順調に育っています(写真は四郎くんです)。
八郎くんは、まだ4枚目が出たところですが、しっかりした葉っぱで順調に育っています。

五郎くん、六郎くん、七郎くんは、葉が小さくて頼りない感じです。ちょっと心配ですね(写真は七郎くんです)。
三郎くんは、ほとんど動きがないので、もしかしたら死んでしまったかも知れません。
補助要員の準備を考え始めています。
令和6年4月23日
バックヤード

4月23日、バックヤードに保管してあるオニバスたちから8株を選抜して、育苗ポットに植え付けました。今年もオニバス栽培始動です。
そして、今年も勝手に名前をつけさせてもらいました。一郎くんから順に八郎くんまでです。
一郎くんは、大ぶりの種子で第3葉が出始めています。
二郎くんは、小ぶりな種子で第3葉が出始めています。
三郎くんは、中くらいの大きさの種子で第3葉が出始めています。
四郎くんは、大ぶりの種子で第3葉が出始めています。
五郎くんは、小ぶりな種子で第2葉まで出ています。そして、種子が瓢箪型です。昨年の一葉ちゃんと一昨年のTwoくんも瓢箪型で、バックヤードでは同じ条件の他の株に比べて大きな葉を出していました。もしかすると瓢箪型の種子は葉が大きくなる、と言う様なことがあるかもしれないと思い、今年は、五郎くんとしてオニバス池で実力の程を見せてもらうことにしました。はたしてどうなりますか、乞うご期待、です。
六郎くんは、小ぶりな種子で第3葉が出始めています。
七郎くんは、中くらいの大きさの種子で第2葉まで出ています。
八郎くんは、小ぶりな種子で第2葉まで出ています。
右の写真は育苗ポットに移されたばかりの一郎くんです。日影育ちだったので色も薄く頼りない感じですが、このあと日差しを浴びてスクスクと育ってくれることでしょう。
令和6年4月11日
バックヤード

4月11日、バックヤードに保管してあるオニバスたちの第一葉がたくさん出ていました。
中には第2葉が出ているものもいます。昨年とほぼ同じペースで生育が進行している様です。
右の写真は、すでに第2葉が出ていて一番生育の進んでいる個体のものです。全長はおよそ9センチメートル、根は4ミリメートルです。
そして、その下の写真は、発芽孔から最初に出てくる正体不明のもこもこです。全体の成長とともにこの器官も成長(?)しているようでガビガビ感が強くなって来ています。
令和6年3月19日
バックヤード

3月19日、バックヤードに保管してあるオニバスの種子が発芽を始めていました(写真の中の白い点が新芽)。
発芽を始めたのは、一昨年2022年に回収した種子たちです。昨年2023年に回収した種子たちは、まだ全く気配がありません。通常通り、1年目の種子は発芽率が低く、2年目以降グンと上がって来ているようです。
まだ真っ白な第一葉が、長いもので4センチメートルほど伸びているものから、やっと蓋が取れて不思議な形をしたよくわからない器官が出たばかりのものがポツリポツリと見られます。
ところで、昨年は3月24日に発芽を確認していました。今年は昨年よりちょっと早いのかもしれません。
この記事に関するお問い合わせ先
このはな館(於大公園内)
〒470-2102 愛知県知多郡東浦町大字緒川字沙弥田2-1
電話番号:0562-84-6166
ファックス:0562-84-6292公園緑地課 公園緑地係
更新日:2024年12月24日