高根の森
高根の森は、自然とのふれあいの場、保健休養、学習、森林レクリエーションの場として有効に活用できるよう、平成5年に愛知県によって整備されました。
約5.2ヘクタールの区域内には、四季折々の変化が楽しめるようたくさんの種類の樹木が植栽され、季節の移り変わりを体感することができます。また、自然林も多く残っており、身近な自然を保全する役割も果たしています。
6月の高根の森
6月の高根の森、緑も濃くなり昼間でも暗い森になりました。
そんな中、ヒメシャラ、ムラサキシキブ、アジサイ、センリョウ、マンリョウなどこの季節の花が楚々と咲いています。
何処からともなくアカメガシワの花の良い香りが漂ってくる中、ヤマガラやシジュウカラやメジロなどのいつものメンバーのさえずりをバックにウグイスが盛んに囀っています。そして、それを追いかけるようにホトトギスの鳴き声が聞こえていました。
そんな鳥たちの声がピタリと止まることがあります。そんな時は、空を見てみてください、オオタカの姿を見ることができるかも知れません。
足元を見ると、ヤマナメクジやアリたちのような小さき者たちも盛んに動き回り始めていました。
キノコや粘菌の様な菌類も活動が活発になってきています。
そして、蚊も元気いっぱい飛び回っていますので、散策する際には、長そで長ズボンと蚊対策をお忘れなく。
7月の高根の森
7月の高根の森、ミズヒキが今を盛りとばかりに咲き乱れて、マンリョウが葉の下側に小さな白い花をひっそりと咲かせていますが、それ以外の花をほとんど見かけません。そのかわり、昆虫王国になっていました。
森に入ると、クワガタムシやカブトムシなど人気の昆虫をはじめ、大きな体のミヤマカミキリ、ビロードの様な美しい質感のキマダラミヤマカミキリ、樹液酒場の玄関マットとも呼ばれている変わった生存戦略を持つヨツボシオオキスイなど多種多様な昆虫たちに出会えます。
昆虫たちの他にも、キセルガイの仲間やキノコの仲間などいろいろな生き物たちで賑わっています。
蚊も元気いっぱい飛び回っていますので、散策する際には、蚊対策をお忘れなく。
8月の高根の森
8月の高根の森、クサギの花が今を盛りとばかりに咲き乱れて、あの独特の香りを森中に漂わせています。イヌビワの実も熟していました。そして、相変わらず昆虫王国になっていました。
クワガタやカブトムシなどの昆虫たちはまだまだ元気いっぱいの様子でした。特に、樹液酒場にカブトムシのメスだけがいっぱい集まって押し合いへし合いしながら樹液を飲んでいる様子は圧巻でした。ちなみに、ヨツボシオオキスイもちゃっかり参加しています。
ジョロウグモたちは恋の季節真っ只中のようで、そこらじゅうの網の上でオスがちょっと離れたところからメスの様子を伺っていました。
8月の後半に入ってから時折雨が降るようになったからでしょうか、森の中は鬱蒼としていました。そんな中、ノキシノブの赤ちゃんがいっぱい芽吹いていました。
ところで、相変わらず蚊は元気いっぱい飛び回っていますので、散策する際には、厳重な蚊対策をお忘れなく。
2023年9月16日と19日の高根の森
9月の高根の森は、キノコがいっぱいです。名前も安全性も全く分かりませんが、散策路を歩くだけでもいろいろな種類のキノコを鑑賞できます。いわゆるキノコの形のものや、盃型のもの、パンやどら焼きのような見た目のものなど変化に富んでいます。
林野庁によると、キノコは日本だけでも4000から5000種確認されているそうです。NHKのサイエンスZERO『地球は「キノコ」に操られている!?生き物も天気も・・・衝撃の事実が分かってきた』という番組の中で、世界中では2万種が確認されていて未発見のものも含めると少なくとも10万種、おそらく植物と同じく30万種はいるのではないかとキノコ学者の方がおっしゃっていました。ここ、高根の森にも数えるのが大変なくらいの種類がいるのかもしれません。
キノコ以外にも目を惹く生き物たちがいます。この日は、上空をノスリが旋回していました。冬を過ごすために帰ってきたようです。
森の外れの駐車場の隅では、キツネノマゴの可愛らしいピンクの花とそのシロバナ種の白い花が小さなお花畑を形作っていました。
8月に花を咲かせていたクサギが独特の色合いの青い実をつけていました。
カブトムシやハナムグリなどはすっかり姿を消しましたが、センチコガネはまだまだ元気いっぱいの様子でした。
9月に入って最高気温が30℃前後に下がったことで、蚊の活動が非常に活発になっています。散策する際には、8月の時以上に厳重な蚊対策をお忘れなく。
2023年10月12日と22日の高根の森
10月の高根の森、気温が20℃台に下がって虫をほとんど見なくなりました。
そんななか、クロカミキリが樹の根元をウロウロしていました。一見するとクワガタのメスのような紛らわしい見た目をしています。
木の実が実りの季節を迎えています。ヤマイモのムカゴやコナラなどブナ科のドングリやツバキの実やヒサカキの実などがしっかり熟して来ました。
キノコもまだまだ色々出ています。
そして、ツバキの花の蕾が大きくなって来ました。冬に咲く花の準備が着々と進んでいるようです。
10月に入って気温が下がり、蚊も少なくなって来ましたが、日中は気温が25℃を超えることもあります。そんな時は、蚊の活動も活発になりますので、散策する際には蚊対策をお忘れなく。
2023年11月1日と19日の高根の森
11月の高根の森、気温が20℃を下回るようになり、蚊の姿も見なくなりました。
それでも、11月の初めまで高めの気温が続いたせいでしょうか、森の中のとあるヤマザクラが花を咲かせていました。
ヤツデも花を咲かせていました。こちらは、いつも通りでしょうか。
イロハモミジとイヌシデの葉が色づき始めていました。まだ、早い樹がやっと色づき始めたところですから、本格的な紅葉はこれからでしょう。今年の色はどんな風になるのでしょうか。
カクレミノも黄色く色づき始めていました。こちらは常緑樹なので全体が色づくことはなく、古い葉がぽつりぽつりと色づいて落ちていって、冬が終わるとまた全体に緑の状態に戻ります。
スズメウリの実が真っ白に、センリョウの実は真っ赤に色づいていました。マンリョウとヒサカキの実はまだ青く、色づくのはもう少し先のようです。
姿を見ることはできませんでしたが、アオジとシロハラの声を聞きました。今年も冬を過ごすために帰って来てくれたようです。
2023年12月8日の高根の森
12月の高根の森、気温がぐっと下がって紅葉が一気に進みました。
駐車場を囲む樹々のあるものは葉を落とし、あるものは色づき、あるものは常緑の葉を茂らせています。
オトメツバキでしょうか、桃色の大きめの花を咲かせていました。
白い花色のツバキも花が咲き始めていました。
アカシデやイロハモミジやコナラなど秋に色づく木々の葉が良い色に色付いています。特にモミジは、緑色から黄色を経て赤色まで全色揃っていました。
いたる所でセンリョウの実が綺麗な赤色に色付いています。とある所で黄色い実のキミノセンリョウの実も奇麗に色付いていました。
マンリョウの実も奇麗に色付いています。こちらは、まだ小さい樹が多く実の数が少な目です。
森の中の昼下がり、ヒヨドリの声が其処彼処でやかましいくらいでしたが、ウグイスの地鳴きもあちらこちらで聞こえていました。時々、コゲラのドラミングやヤマガラたちの声も聞こえて、森の中は思いのほか賑やかでした。
2024年1月6日の高根の森
森の天井を眺めた後は、視線を下に戻して周りを見てみてください。
この秋に落ちたばかりの新鮮な落ち葉がたっぷりと降り積もった地面が広がっていて、まるで、下ろし立ての衣類のような爽やかさが心地よいです。
1月の高根の森、冬枯れの季節でもあり花はありませんが、木の実はまだまだ見られます。
マンリョウ、センリョウ、キミノセンリョウの実が、鮮やかな赤や黄色に輝いています。マンリョウの実は果柄が長く、近くで見るとサクランボのミニチュアのようです。
ヒサカキの真っ黒な実もまだ残っています。
ヤツデは花が終わって果実が膨らみ始めました。まだ、緑色をしておりいかにも未熟果といった様子ですが、スイカのような模様が気になるところです。
10月にクロカミキリを見かけたクロマツの根元の洞にアリジゴクの巣のような窪みができていました。もしアリジゴクならこの前の10月以降に生まれた子達ということですね。
2024年2月10日の高根の森
2月の高根の森にはまだほとんど花はありませんが、冬芽は着実に膨らんできています。上の写真は比較的目を惹く種類のものですが、他にもたくさんの種類の樹木がいます。
この時期、落葉樹の葉は落ち、草も伸びていないので一見殺風景ですが、その分森の中が明るくなっています。膨らみ始めた冬芽を眺めながらの散歩も面白いのではないでしょうか。
2024年3月25日と28日の高根の森
3月の高根の森には芽吹いたばかりの若葉と今にも咲きそうな花芽がいっぱいです。アカシデやオオシマザクラのように下旬になる頃には咲き出している樹もいます。上の写真は2月に紹介した冬芽たちの3月の様子です。
硬そうだった冬芽が開いて柔らかそうな若葉が萌え出る様子を愛でられるのはこの時期だけのお楽しみです。まだ、虫も少ないので、安心して歩けます。小鳥たちの声を聞きながらの若芽ウォッチング、オススメです。
シダの名前はベニシダ。
芽生えから展開してちょっとの間、葉が赤い色をしているのでベニシダ。
綺麗なシダです。
5月ごろ葉の裏にできる胞子嚢も赤味が強めで、整然と並んだ様子が綺麗です。
2024年4月2日と4日の高根の森
2024年の東浦町の桜は、久しぶりにゆっくりでした。高根の森でも例年3月の末にはしっかり咲いていますが、今年は4月に入ってから本格的に咲き出しました。ところで、高根の森の桜は山桜と大島桜の2種類の様です。どちらもこの辺りで普通に見られる野生種です。
さて、桜以外の植物も4月に入って続々と花を咲かせ始めました。ミヤマガマズミやサルトリイバラ、一見花に見えませんがイヌビワも花嚢を膨らませていました。
新緑も綺麗です。ナラやカエデやシデなどの落葉樹たちが新しい葉と花で樹冠を彩っています。
大きな樹の高いところ以外にも、目線の高さの木や草たちも若々しい新葉を出していました。
全体に小ぶりな種属で、山渓ハンディ図鑑6「日本のスミレ」の中では「日本のすみれのなかで、地味ながらもハイセンスな逸品といえるだろう
」と評されていました。
日本固有種です。
4月半ば、森の中に突然真っ白な花の塊が出現していました。艶のある濃い葉色の常緑樹なので花のない時期にはヒサカキやツバキなどに紛れてその存在に気づき難いですが、花が咲くと、その圧倒的な白さですぐにそれと分かります。
2024年5月10日の高根の森
5月の森では、カラ類やメジロやコゲラなどの常連の鳥たちの囀りに加えて、オオルリやセンダイムシクイなど渡りの途中で立ち寄ってくれた鳥たちの囀りも聞こえます。そして、アマガエルたちも大合唱です。1匹鳴き始めるとすぐにあちらこちらから呼応してきます。
5月は新緑の季節でもあります。駐車場から森に入る入り口の両脇に門の様にして立つ、背の高い松と楠も若葉色が綺麗です。
そして、エゴノキ、ガマズミ、スイカズラ、ハクウンボクなど白い花が咲いています。どれもしっかりとした香りが特徴的な花たちです。
ベニシダの胞子嚢も綺麗な赤色に色付いてきています。
ムラサキシキブの花芽もしっかり膨らんできています。
クロクサアリは今年も大きなイヌシデに登って蜜を集めています。近くで綺麗な円網を張るクモがいました。そして、今年も例の場所にウスバカゲロウの幼虫のアリジゴクの巣がたくさん作られていました。
蔓性植物のサルトリイバラに、やはり蔓性のアオツヅラフジが巻きつき、その上からやはり蔓性のヤマノイモが巻きついていました。
このヒトたち、基本的に何にでも巻きつきますから、お互いが近くにいると必然的にこうなってしまうのでしょう。
相手のことなどお構いなしにぐるぐる巻きついていく様子が仁義なき戦いのようでコワいですね。
そして、今年も蚊が出始めています。森にお出かけの際は蚊対策をお忘れなく。
高根の森施設案内
散策路
高根の森は、適度に整備された散策路のお陰で、自然豊かな森の中を比較的軽装で歩くことが出来る様になっています。
野鳥や植物や虫を含めた小動物など、普段あまり見ることのない生き物たちと気軽に出会える貴重なスポットとなっています。
森の中の道は高低差に富み、日々の運動やハイキングなどにもピッタリです。
(冬の季節以外は蚊がたくさんいますので、虫除け対策をお忘れなく。)
東屋
森の中心部まで進むと忽然と現れます。
中には腰掛けられる場所もあるので座って休憩することができます。
駐車場
高根の森利用者のための駐車場です。
車で訪れる際はこちらの駐車場をご利用ください。
地図情報
この記事に関するお問い合わせ先
公園緑地課 公園緑地係
〒470-2192 愛知県知多郡東浦町大字緒川字政所20番地
電話番号:0562-83-3111
ファックス:0562-84-6422
公園緑地課 公園緑地係へメールを送信
更新日:2024年01月09日