オニバス池周辺の生き物たち(令和6年)
令和6年7月
2024-07-13
羽化したばかりのニイニイゼミに遭遇しました。
羽化したての昆虫は色が少なく何とも言えない透明感があって美しいです。
ある意味、生まれたばかり、だからでしょうか。
オニバス池でオオシオカラトンボを見かけました。
右前翅が少し欠けています。
こちらは、幾多の死地をくぐり抜けてきた歴戦の勇士の感があって、ある種の尊敬の念を禁じ得ません。
ヤモリがアスファルトの園内通路を走り抜けていました。
普段、建物の壁など垂直面に張り付いているところをよく見かける種族ですが、ニホントカゲやカナヘビの様に地面を走ることもあるんですね。
右の写真はヤモリの顔のアップです。眼の様子がわれわれとは全く異なる生き物という感じがして、怖いようです。
ところで、ヤモリは暗闇でも色がわかるそうです。2021年にそのメカニズムが明らかになりました(京都大学の山下高廣 理学研究科講師、七田芳則 名誉教授(現・立命館大学客員教授)、小島慧一 岡山大学助教らの研究グループ)。彼らの瞳は見た目だけではなく機能的にもわれわれとはひと味違う様です。
2024-07-09
クルミの果実が大きくなってきています。
今年の実は大きい、とおっしゃる方もいますが、果皮に包まれた中の核の部分も大きいと良いのですが、果たして。
大池の端のクヌギに、ミヤマカミキリがいました。
捕まえようと地面に落としたら、私の長靴の作る隙間あるいは影に走り寄ってきました。
私を頼ってくれている様で、捕獲を試みたことがなんだか申し訳ないことをしてしまった気分になってしまいました。
写真を撮らせてもらった後、クヌギに戻ってもらいました。
滝の近くの赤い欄干の橋の袂にキノコが出てしました。
発生初期は、普通のキノコらしい傘の縁が下にさがった状態ですが、だんだん縁が上に反り返ってくる種類のようです。
小ぶりで地味な色味なので目立ちませんが、何となく纏まっていて美しい種類です。
使い古されて放置された金たわしの中から植物が発生していました。
2種類いて、一つはイネ科、もう一つ丸い葉の種類はよく分かりません。
金たわしの様なものでも根を張ることができるとは思っていなかったので、驚きました。
この後、花を咲かせて実をつけるところまで行けるのか、気になるところです。
オニバス池で、ヤゴの抜け殻を見つけました。
2匹が重なっていて、まるでおんぶしている様に見えます。
この下に、もう1匹分の抜け殻がありました。上の2匹とは種類が違う様です。
いずれにしても、この枝は一度に3匹が集う人気スポットの様です。
令和6年6月
2024-06-29
6月25日、大池にウチワヤンマがいました。
於大公園ではこの種属の数は多くありませんが、時々、ふと気がつくと飛んでいます。
大池で繁殖できているということでしょうか。
6月26日、このはな館の周りでヤマトタマムシを2匹見かけました。
夏になると毎年ちょくちょく見かけます。
園内のそこかしこで暮らしているのでしょう。
6月28日、オニバス池で、羽化したてのカトリヤンマを4匹見かけました。
お尻の先っぽの尾部上付属器が長く、腰のくびれがはっきりしていて、羽化してまもない状態の色が褐色なのでカトリヤンマだろうと思います。
卵で越冬する様なので、昨年からずっとオニバス池にいた子たちなのでしょう。
名前の通り蚊を取ってくれるのでしょうか。そうであるなら、今年もたくさん卵を残して行ってもらいたいものです。
やはり、6月28日、ナガサキアゲハのカップルを薬草園で見かけました。
6月22日にも見かけましたが、於大公園では普通種なのかも知れませんね、今まで気づきませんでしたが。
6月29日、クマゼミが出ていました。
私は、今年初対面です。
もう直7月ですが、この夏もいっぱいあの音量で鳴いてくれちゃうことでしょう。
6月24日、赤くて可愛いキノコを見つけました。そして、29日には黄色いキノコを見つけました。
雨がちのお天気が続いているせいか、あちらこちらで色々なキノコが顔を出しています。
この時期ならではのお楽しみですので、園内を散策する際にはぜひ探してみてください。
6月28日、雨の中、ザクロの未熟果が2個、仲良くベンチの上に立っていました。
近くの手すりの上では、3個の未熟果が滑り台をしていました。
落下した際偶然こんな立ち方をするとは思えませんので、どなたかが並べたものでしょう。
雨の中、ちょっと楽しい気分にさせてもらいました。
2024-06-22
とある通路でヒバカリと遭遇しました。写真は、こちらに気づいて大慌てで逃げているところです。
大きめの落ち葉1枚に全身が隠れられるほどの小さな個体でした。
おとなしい蛇で、慌てて逃げ回る印象はあまりありませんでしたが、今回はかなり一生懸命走っていました。
もしかすると、最近、ヒトと遭遇してかなり危うい目にあったところだったのかも知れません。
ナガサキアゲハのメスが、中池の横の菖蒲園で水を飲んでいました。
かなり大きな蝶々です。日本では最大級の種類とのことで、確かに実際に見ると「デカっ」という印象を受けます。
もともと南方系の種族だったのが、だんだん北上してきていて、温暖化の指標種として注目されているそうです。
知多半島では、2000年(平成12年)には見られたという記述がありました 。
メスのネコハエトリがオニバス池の3番ポットにいる九郎くんの葉の上にいました。
どうやって陸地から数メートル離れた水上の葉の上にやってきたのでしょう。
一応、水面に立つことができる様ですが、キクヅキコモリグモの様に水面を走ってきたのでしょうか。そうだとすると、水上での狩もあるということかも知れません。
が、葉の上にいる時に私がカメラを向けたら逃げようとはせず、むしろ、カメラに飛び移ってきましたし、着地に失敗して水面に落ちた彼女はどこなく落ち着かない様子でしたので、きっと水の上はそれほど好きでは無いのだろうと思い、手で掬って近くの陸地に移動してあげてしまいました。
蜘蛛助けになっていればよかったのですが。
オニバス池の藻をとっていたら、ヤゴがついてきました。
たまたま来ていた虫取り名人の子どもさんに見せたら、「ショウジョウトンボの終齢幼虫だね」と即答で教えてくれました。
ショウジョウトンボは、あの真っ赤なボディーで今年もすでにいっぱい飛び回っています。
ところで、オニバス池に水が入ってまだ一月ちょっとです。6月14日の記事で紹介したギンヤンマのヤゴの時も思ったのですが、そんな短期間で卵から終齢幼虫まで成長できるものなのでしょうか。それとも、水が無くても越冬できるので、今終齢まで達している子たちは、昨年生まれということなのでしょうか。ちょっと気になっています。
2024-06-18
コムラサキの花が咲いていました。
シロミノコムラサキの花も咲いていました。
どちらも同じ所にいます。待合小屋と北トイレの間です。
紫色の花と白色の花が面白い対比を見せています。
チャイナニンジンボクも花が咲き始めていました。
こちらは、紫色の花と白色の蕾が一緒にいるので、コムラサキとはまた違った対比が楽しめます。
オニバス池のほとりにいます。
雨に濡れたイロハモミジの幹に、ノコギリカミキリが張り付いていました。
ノコギリカミキリは、水は飲むけど後食はしない、と言われていますが、今回はまさに水を飲んでいる所に遭遇したようです。
よく、遠目に見るとゴキブリの様、と言われますが、横顔は、ギザギザの太い触覚とがっしりした頭がミノタウロスを彷彿とさせ、なかなかカッコいいです。
2024-06-14
バックヤードでオニバスを栽培しているバットにいるホウネンエビが2匹まだ生きています。2匹ともオスです。
このホウネンエビは、5月1日の記事で紹介していますが、4月23日頃孵化したものです。ということは、およそ50日生きていることになります。
オニバス池のホウネンエビたち(5月14日に水を入れ始めて5月23日に存在を確認)はしばらく前に姿を消していますし、このはな館に移住してもらった兄弟たちはとっくに姿を消してしまっていますから、この2匹はとても長生きしています。
どうしてなのか、理由が気になるところです。バックヤードの環境になにか秘密があるのでしょうか。
今オニバス池では、そこら中でギンヤンマのヤゴが脱皮しています。
普段は、右の写真のように茶色っぽい色をしていますが、脱皮したてのヤゴは体の半分以上が淡く緑がかっていてとても綺麗です。
水面近くで浮いている藻につかまって脱皮する個体を多く見かけます。そして、脱皮後もそのまま藻に掴まってじっとしています。
掴まっている藻から無理に引き剥がすと慌てて近くの何かに取りすがろうとします、たとえそれが私の脚であっても。
しがみつかれるのも、なんだか頼られているようで悪く無い気分ですが、そのままずっと池の中にいるわけにもいかないので、浮いている藻を引き寄せてそちらに移動してもらいました。
ガムシの成虫がいました。もしかして、6月7日の記事で紹介した卵嚢の製作者でしょうか。
池の中の藻を取り除くために掬い上げたら、ガムシもついてきてしまいました。手で簡単に捕まえられたので、水に戻す前に写真を撮ろうと陸に上げたら、思いの外動きが早くてかろうじて撮れた写真が左の写真です。
この写真を撮った後、地面に空いていた穴の中に逃げ込んでしまったのでこの後どうなったのか気になっています。
6月2日の記事で紹介したゲンゴロウの幼虫もそうでしたが、基本的には水の中の住人なのに陸上でもそこそこ動けてしまう種族が結構いる様です。
侮ってはいけませんね。
ところで、件の卵嚢ですが、昨日の6月13日の時点で葉が溶け始めていて、今日は見えなくなっていました。産卵から1週間ほど経っています、無事に卵がかえっていると良いのですが。
2024-06-07
通路を歩いていると、蜘蛛の巣に白くて大きなもの(写真の左側の白いもの)が乗っていました。
遠目には蜘蛛に見えたので、何グモだろうと近づいて見ると、それはクモではなく何かのタネでした。
ちょっとガッカリしたのですが、それではこの蜘蛛の巣の主人は誰だろうと探してみると、いました、まだ若々しいヒメグモが。
こちらは近づいてみないと見えないくらい小さかったです。
ところで、ヒメグモのお母さんは卵から孵ってしばらくの間は子供たちにご飯をあげて食事の面倒を見てあげるそうです。
母の愛、なのでしょうか。
トキワマンサクの剪定をしていたら、トビモンオオエダシャクの幼虫が出てきました。
体長6センチメートルほどの大型の尺取虫です。
成虫は以前別の場所でカップルでいるところを見かけたことがあったのですが、幼虫は初めてお目にかかりました(オニバス池周辺の生き物たち(令和4年)のページの3月8日の記事参照)。
この尺取虫、頭がとっても特徴的です。なんだか、猫の頭に見えなくも無いような面白い形をしています。
ちなみに、後ろから見てもそれっぽい形をしています。
が、芋虫だからでしょうか、猫好きの人たちの評判は必ずしも良く無い様です。
オニバス池で生育中の五郎くんの葉っぱの1枚から棘が出ていました。
私は初めて見たのですが、これ、ガムシの卵が入っている器の様です。
裏側を見ると、確かに、虫の出す糸みたいなもので保護された卵嚢に見えます。
このトゲ、シュノーケルの様な役割があると言われていますが、ガムシたち、どうやってこんな構造物を作ることを思いついたのでしょうか。考え始めると眠れなくなってしまいそうです。
本日6月7日、本年初ショウジョウトンボです。
毎年、真っ赤なボディーでオニバス池を賑わせてくれています。
今年も、ようこそお帰りなさい、ですね。
ちなみに、ギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コシアキトンボなどの常連さんたちもすでに来園いただいております。
センリョウの花が咲き始めました。
雌蕊ひとつに雄蕊ひとつで1セットの変わった形の花が咲きます。
オシベも一つしかありませんし、花びらのような装飾物も一切ないので、花が咲いているとは思えないような地味な見た目をしています。
でも、この後ちゃんと結実して、冬にはあの真っ赤な実をたくさんつけて正月飾りを賑わしてくれることでしょう。
ザクロの花が咲き始めています。
写真はまだ蕾の状態のものですが、すでに、独特の色形と質感で食欲をそそっています。
2024-06-02
左の写真はアオバハゴロモの幼虫です。
右はアミガサハゴロモによく似た、和名のまだ無い外来種のハゴロモの幼虫です。
真っ白な綿毛の様なものをお尻に乗せて歩き回っています。そして、時々跳びます。
植物の汁を吸うので害虫扱いされますが、見た目は可愛らしいです。
ゲンゴロウの仲間の幼虫がいました。小さかったので、ヒメゲンゴロウかもしれません。
オニバス池で泳いでいるところをレーキで掬ってみたら掬えてしまいました。
水中では簡単に捕まえられたのですが、陸に上げた途端かなりの速さで走り回るので見失ってしまいました。無事に水中に戻れたのか、気になっています。
左の写真は、そんな高速移動モードが起動する直前に奇跡的に撮れた1枚です。
オニバス池に、ちょっと小振りなイシガメがいました。
まだ植えたばかりのか細いオニバスを齧られては大変なので捕まえました。写真は池に入る階段の上に置いたところです。
この後、逃げようと池に向かって走り出したのですが、階段から落ちて仰向けに転がってしまいました。
右の写真はその時見せてくれた顔です。
「何見てんのよ」とでも言いたげな顔に見えてしまうのですが、いかがでしょう。
マツモムシが泳いでいました。
ホウネンエビやカエルたちやゲンゴロウの仲間やアメンボやトンボたち同様、水の入ったオニバス池の常連さんです。
今年もこれからいっぱい出てきて泳ぎ回ることでしょう。
令和6年5月
2024-05-23
5月21日、5月9日の記事で紹介した、このはな館のホウネンエビが3匹とも亡くなりました。写真の中の左の鉢です。
5月23日、新たにまだ体の小さい子を6匹連れてきて、写真の右の鉢に入ってもらいました。
そして、左の鉢にはおそらく卵が産み落とされています。今シーズン中にもう一度くらい発生したりするのでしょうか。
右の鉢のホウネンエビたちは、卵を産むところまで成長してくれるのでしょうか。
ホウネンエビちゃんたち、まだまだ目が離せません。
ところで、ホウネンエビは死ぬとすぐに体が消えてしまいます。あっという間に大きくなって、突然跡形もなく消えてしまう様子は、われわれ有機生命体の仲間というよりは、精霊の仲間の様でちょっとカッコよく見えてしまうのは私だけでしょうか。
5月14日から水を入れ始めたオニバス池にも、ホウネンエビが現れました。およそ10日で、1センチメートルほどのはっきりホウネンエビとわかる大きさに育っていました。
今のところ、まずまず高密度に発生している様です。
今年はこの後どうなるのか楽しみです。
そのオニバス池では、オタマジャクシも大量発生しています。
このひとたちも疾いです、池に水を入れると数日のうちには、わらわら泳いでいます。
でも、ホウネンエビの様な精霊感がありません。
見た目?泳ぎ方?それとも死後肉体が消える時のスピード感の無さのせいでしょうか。
さらに、アオダイショウも見かけました。
池の縁を獲物を探す様にしながらこちらに向かってきましたが、私の足元まで来て左の写真の様に突然止まりました。
どうやら、ここまで接近して初めて私の存在に気付いた様子です。
しばらく、どちらも動かなかったのですが、私の方が待ちきれなくなって一歩後ろに下がりました。
その途端、彼(もしくは彼女)はダッシュで右側の草むらに駆け込んで行きました。
脅かすつもりはありませんでしたし、ましてや狩の邪魔をするつもりもなかったのに慌てさせてしまって、なんだか申し訳なかったです。
カマキリの幼虫が、欄干の上から身を乗り出して下を覗っていました。
何をするつもりなのかと見ていると、次の瞬間下に向かって跳躍しました。
カマキリって跳ぶんですね、知りませんでした。
2024-05-20
数日前からオニバス池に水を入れ始めていますが、早速大きなウシガエルが来てくれています。
毎年水を入れ始めるとすぐに現れます。オニバス池は周りと水路で繋がっていません。あまり乾いたところで見かけることの無いウシガエルが、一体いつ、どこから、どうやってこのオニバス池にやって来るのか不思議です。
2024-05-17
薬草園のハナモモに「おしりたんてい」の顔の様な形をした実がなっています。
下から見ると分かり易いですが、これ、二つの果実が合着したもので双子果というそうです。
桃の様な核果では、花芽が形成される初期の段階の高温と水ストレスで起こりやすい現象と言われています。
見た目には面白いですが、モモにとっては異常事態なのでしょう。
ヒメミドリザクラの果実がなっています。
ヒメミドリザクラは、樹も花も小振りですが、果実はサクラとしては大きめの実がなるシナミザクラよりもさらに大きな実がなっています(長径が2センチメートルを超えています)。
ちょっと不思議な感じのする景色です。
ミヤマイボタの花が見頃を迎えています。
近づいて匂いを嗅ぐと、独特の変な匂いがします。
ヤマトシロアリの女王と王が連れ立って歩いていました。
前を歩いているのが女王で、後にピタリとついて歩いているのが王です。
毎年結婚飛行の行われるこの時期にしか見られないちょっと珍しい光景です。
このお二人、とても仲が良さそうですが、この後10年から20年死ぬまで地下でずっと一緒に暮らすそうです。
われわれヒトには真似をするのが難しいことを、当たり前の事としてこなしてしまっているのはすごいことかも知れません。
サトクダマキモドキの1齢幼虫が金魚椿の葉の上にいました。
この仲間は、1齢幼虫と2齢以降の見た目が大きく違うそうです。
2齢幼虫以降、クダマキモドキらしい体型になって、同属の他種と区別が難しくなるそうです。
オニバス池でイナズマハエトリのメスを見かけました。
銀色と黒のコントラストがとってもカッコいい種族です。
アケビコノハの幼虫がいました。
於大公園のオニバスの故郷である飛山池の森で見つけました。アケビの葉が茂っている辺りから、パキパキと音がするので葉の隙間を覗いてみたら葉っぱを齧っているところでした。
大きな体に、4つの大きな眼状紋がとても威圧的で、視界に入った瞬間思わず仰け反ってしまいました。
この虫、幼虫はとても目立つ姿をしているのに、成虫は翅を閉じていると落ち葉のような見た目で全く目立ちません。完璧な擬態者です。
幼虫時代と成虫時代で外見に関する方針を180度転換しているのにはどんな理由があるのでしょうか、気になるところです。
2024-05-09
バックヤードで発生したホウネンエビ6匹のうち3匹に小鉢に入ってもらってこのはな館に来てもらいました。
小鉢でのお世話は初めてのことなので、快適に暮らしていただけているのかわかりませんが、しばらくお付き合いいただいてこちらの経験を積ませてもらおうと思っています。
於大公園にお越しの際は、ぜひ、一度覗いてみていってください。
臆病な生き物なので、急に覗き込むとビックリしてしまいます。そーっと近づいてあげてください。
小鉢の横から見ると、基本的には背泳ぎしていることがよくわかります。そして、自然界ではなかなか見る機会のないアングルですので、この機会にぜひご覧になってみてください。
ところで、お掃除係として、ヒメタニシも1匹入ってもらっています。こちらも、ご贔屓のほどよろしくお願いいたします。
そのホウネンエビのいたバックヤードのオニバス栽培バットの中にアミミドロが発生しています(毎年出てくる常連さんです)。
5角形から7角形くらいまでの枠がいっぱい集まって網の様になっています。この網目のそれぞれの1辺が1つの細胞で、この細胞が大きくなることで網全体が大きく成長していくとのことです。細胞分裂を繰り返して網が増えながら大きくなっていくことはないそうです。
この後、バックヤードのアミミドロがどれくらいの大きさまで育っていくのか見てみようと思っています。
ところで、水田でアミミドロを上手に増やすと水田雑草の発生を抑制できて米の収量を上げられるという話がある様です。オニバス池でも何かの役に立つかもしれませんね。
東トイレの蛍光灯を取り替えようとしたら、オナガグモが出てきました。個人的には初めて見るクモだったので興奮してしまいました。
このクモ、腹部が異様に長くて、しかもクネクネ動きます。クモらしくない動きなのでちょっと不気味な感じがするかもしれません。
普通のクモで言うところの腹部は、突起のあるところ(糸疣と排泄口がある)までで、その先は突出部が長く伸びたものの様です。
このクモ、擬態の名人として有名です。今回の様に脅かさなければ、脚と身体をまっすぐに伸ばして松葉の様な格好になっていて全く蜘蛛に見えません。
さらに、クモ喰いのクモとしても有名で、獲物の96バーセントがクモだったと言う報告があるそうです。しかも、狩の仕方が独特で、しおり糸を辿ってオナガグモの所にやってきたクモに襲いかかるそうです。獲物になるクモにしてみたら、普通にしおり糸を辿って歩いていたら、突然、松葉の様に見えていた物体に噛みつかれて抑え込まれてしまうわけです。コワいですね。
そして、そのことが明らかになったのは、1980年代だそうです。割と最近まで謎の蜘蛛だったようです。
2024-05-05
ツルウメモドキの花が咲いていました。
花弁が緑色をしているので、見た目がとっても地味です。
そのせいでしょうか、気がつく人はほとんどいない様です。
そんなツルウメモドキの花ですが、微かに良い匂いがします。
ちなみに、ツルウメモドキは雌雄異株で、写真は雄株のものです。隣の雌株に秋になると実る赤い実は、花とは異なりとても目立って人気があります。
ニワゼキショウの花が満開です。
地表に咲く小ぶりな花ですが、花色には紫やピンクや白があって思いのほか賑やかです。
菖蒲園の横の土手などにいっぱいいて、コメツブツメクサやシロツメクサなどと共にお花畑を形成しています。
2024-05-01
今年のオニバス 一郎くんたちを栽培しているバックヤードのバットの中でホウネンエビが泳いでいました。
一郎くんたちを植え付けたポットの土はオニバス池から持ってきたものです。オニバス池では毎年ホウネンエビが出ていますから、卵がついてきたのでしょう。
4月23日に水を入れてからほぼ1週間で、卵から体調1センチメートルほどまで成長しています。初期の成長の速さにびっくりですね。
このバットにはヒメタニシもいます。
こちらは、薬草園の池から来てもらいました。藻を食べてもらっています。
そのヒメタニシくんたち、背中に藻を背負っています。
そして、背負っている藻は食べていない様子ですから、ここから新たな藻が育って周りに散っていくことになるでしょう。
ということは、食べているそばから食糧生産している、ということになるのかも知れません。
これって究極の自給自足ではないでしょうか。
令和6年4月
2024-04-25
クルミの雌花が咲いていました。
花序に長い毛がいっぱい生えています。
逆光で見ると銀色に輝いてとても綺麗です。
トチノキも花が咲き始めました。
トチノキは通常背が高くて、花を近くで見る機会がほとんどありません。
でも、今年の中池近くのトチノキは比較的下の方に花をつけています。この機会にぜひ、ご覧になってみてください。
中池のアシを抜いて置いておいたら地下茎にだけクロヤマアリが集まってきました。
甘いのでしょうか、それとも、美味しそうな匂いがするだけなのでしょうか。
触り心地と見た目は美味しそうに見えなくもないので味を見てみようかとも思ったのですが、抜く前にあった場所を考えると味見を試す気にはなれなくて確認できていません。
2024-04-23
今、オニバス池の中は黄色い花でいっぱいです。
オミナエシが大群落を形成する中、ジシバリがところどころに小群落を作っていて、その中にときどきオニタビラコが混ざっています。
黄色を引き立てるベースの緑には、スズメノテッポウとムシクサが入っています。
ハンカチノキが花を咲かせていました。
今年は、他の植物同様早めの開花です。
2024-04-22
西洋カマツカの花が満開です。
花は花弁も花糸も全体に真っ白ですが、葯(花粉の入っているところ)だけ赤紫色をしています。
一つの花は小ぶりなので遠目には分かりにくいですが、近づいて見るとコントラストの妙とも言うべき美しい花を堪能できるのではないでしょうか。
ウワミズザクラの花が咲き出しました。
小さな花が房状に固まって咲くので、いわゆる桜らしい見た目をしていませんが、一つ一つの花は上の記事のカマツカ同様5枚の花びらを持つバラ科らしい花です。
そして、良い香りがする花です。ですが、花の位置が高くて香りを堪能するのは難しいところです。
バックヤードでオニバスの苗を育てる水槽の準備をしていたら、水槽の上にゴミグモがぶら下がっていました。
まだ、体の小さい若い娘さんです。
写真の様に脚をたたんでじっとしていると、本当に何かのゴミの様なので、初めは去年の蜘蛛の巣の残り物かと思っていました。
でも、水槽に水を入れる間ぼーっと見ていたら、突然一番下のゴミがゴミグモに変身して動き出したので正体を見破ることができました。
ゴミグモは於大公園内の至る所にいるので網を見かける機会は多いのですが、クモそのものを見つけるのはあのウォーリー並みに難しい種属です。
そのゴミグモの巣の隅っこにシロカネイソウロウグモがいました。
腹部が小ぶりなので、まだ若いメス、あるいはオスでしょうか。
こちらもよくいる種類ですが、何せ体が小さいので見つけるのは案外難しい種属です。
ゴミグモとシロカネイソウロウグモをぼーっと見ていたら水を入れていることを思い出して、ふと下を見ると、水面をチャスジハエトリが滑っていました。
こちらもゴミグモ同様若い娘さんです。
そして、ゴミグモ同様よく見かける種属です。
ただ、見つけるのは前2種ほど難しくはありません。カモフラージュもしませんし、大きさも小さくありませんから。
2024-04-16
ツマグロオオヨコバイの幼虫でしょうか、黄緑色の可愛らしい虫がいました。
体は小さいですが、ジャンプ力はとても強くて、一瞬で視界から消えてしまいます。
今回も、左の写真を撮った直後、視界から消えました。
薬草園のアリアケスミレも花の季節が終わりつつあります。
今年は咲き始めるのが遅めで、3月の終わりにやっと咲き出しました。その後、4月の中旬まで楚々とした綺麗な花を楽しませてくれました。
於大公園のアリアケスミレは白みが少し強めなので、園内の他のスミレとちょっと雰囲気が違います。
ハンカチノキが若葉を展開していました。
この樹は、オニバス池にいる2本のうち、北寄り、東屋に近い方です。
赤味がとても強くて綺麗です。
展開する前も赤味が入っていて綺麗です。
オニバス池にあるもう一本の樹は、赤味があまりありません。個体差なのでしょうか。それとも、日の当たり具合など環境の差なのでしょうか。
ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャの樹)も花芽を伸ばし始めました。
萼片になると思われる部分から、捻りの入った棒状のものが伸びています。
直線部分が有るあまり見ない形、もっと言うと変な形の蕾ですね。
オニバス池でジシバリが綺麗な花を咲かせています。
写真の中で黒っぽい棒状のものから2本の紐状のものが出ていますが、これが雌蕊です。まだ、ほぼまっすぐ伸びていました。
翌日見てみるとまっすぐだった雌蕊が右の写真の様にくるくるとカールして眼鏡の様な形になっています。
これ、受粉前と後、ということでしょうか。
園内某所、ご夫婦で来園した方が2人揃って地面を見つめたまま固まっていました。
声をお掛けしたら、「ヘビ」と一言。
指さす方を見るとアオダイショウくんが落ち葉を集める木枠の中にあわてて逃げ込むところでした。
私にとって、今年の初アオダイショウです。
1メートルは超えているかな、というくらいの大きさでした。
件のお二人は蛇が苦手なので遠ざかってくれてホッとした様子でした。でも、アオダイショウくんの方は写真を撮ろうと追いかけてくる私から逃れようと、慌てて木枠から滑り出て逃げて行きました。
その速いのなんの、おかげでピント合わせが間に合わず写真がブレてしまいました。
2024-04-04
4月1日の記事でカツラの雄花を紹介しましたが、今回は、雌花です。
赤く伸びているのは柱頭です。ここで花粉をキャッチします。柱頭が4本ということはこの花は雌蕊が4つ有ります。そして、おそらく果実が4つ実ることでしょう。
ところで、カツラは雌花も雄花同様、花弁も萼もありません。
そして、細長い柱頭が4本ほど見えているだけなので、雄花よりさらに人目につきません。
一般に風媒花の皆さんは花の見た目が地味ですが、カツラも風媒花の一員として立派に目立たない花を咲かせていました。
これも4月1日の記事で紹介したイロハモミジの雄花の写真です。
イロハモミジもカツラ同様見た目が地味な花を咲かせます。
そして、そのためでしょうか、カエデ類は風媒花であるという記述を見かけます。
でも、毎年花の咲いている時期のある期間、ミツバチが大群で押し寄せてきて花から花へ忙しそうに飛び回っていることがあります。
これ、虫媒花で見られる現象です。おそらく、イロハモミジは虫の助けを借りるのにやぶさかで無いのでしょう。
ただ、だからと言って風を利用していないとも言えません。もしかすると、イロハモミジはアカメガシワやソテツの様に、風虫両媒花なのかも知れませんね。
ところで、イロハモミジはカツラとは異なり雌雄同株で、1本の樹が雄花と両性花の2種類の花をつけます。右の写真は両性花です。ヘビの舌の様に先が二股に分かれた雌蕊がチャームポイントです。
オニバス池でテントウムシの幼虫と蛹を見かけました。
写真の枝の上側に張り付いているのが蛹で、下側のものが幼虫です。
しばらくしてから見に行ったら、幼虫はいなくなっていました。じっと張り付いていたのでここで蛹になるつもりなのかと思っていましたが違った様です。
幼虫から成虫までほとんどすべて(卵と小さい幼虫を除く)のステージのテントウムシをこの時期一番多く見かけるような気がします。草が少なく、見通しが良いせいでしょうか。
2024-04-01
毎年あちらこちらでいっぱい芽吹いていますが、いつの間にか消えてしまいます。
ウェブなどで見る限り育てるのが難しい種族ではなさそうですが、野生のものは大きくなるのが難しいようです。
何者かの抑制が掛かっているかのようです。
ヒメスミレが見頃を迎えています。
写真はオニバス池のものですが、マレットゴルフ4番ホールに上がる階段付近のものも綺麗に咲いています。
昨年の夏の雨不足と酷暑のせいでしょうか、あちらこちらでいろいろなスミレたちが株数を減らしていますが、生き残った株たちは綺麗な花を咲かせています。
タネをいっぱい飛ばして、スミレ王国の復興を成し遂げて欲しいものです。
ゼンマイの胞子葉が出てきました。まだ、フィドルヘッド(ワラビ巻き)の状態です。
於大公園のこのゼンマイは、一見してシダとは思えないくらい大きいです。
そして、巨大な胞子葉に数の子の様にびっしりとついた胞子嚢が、食欲をそそるかもしれません。
が、ゼンマイの胞子葉はおいしくないので食べない様です。食用にするのはこのあと出てくる栄養葉のフィドルヘッドです。
そしてそれはすでに下の方で待機しています。
この花は雄花で、カツラは雌雄異株なのでこの樹は男の子です。
花弁も萼もない蕊だけのあまり花らしくない変わった形の花です。目立たないので、知っている人しか開花に気づかないタイプの花でしょうか、コニシキソウの様に。
カラタチの葉芽が出てきました。大きくて鋭いあの恐ろしい棘のすぐ脇に、色も艶も若々しくまた可愛らしい様子で。
カラタチは実の形や花や葉の雰囲気や棘があるところがミカンの仲間に似ています。
でも、冬になると葉が落ちます。そのためでしょうか、カラタチはミカン科カラタチ属でミカン科ミカン属には入れてもらえていない様です。
ところで、カラタチはミカン科カラタチ属カラタチで1属1種です。われらがオニバスと一緒です(スイレン科オニバス属オニバス)。どちらも孤高の存在のようでカッコ良いのではないでしょうか。
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更新日:2024年07月19日