オニバス池周辺の生き物たち(令和6年)
令和6年4月
2024-04-25
クルミの雌花が咲いていました。
花序に長い毛がいっぱい生えています。
逆光で見ると銀色に輝いてとても綺麗です。
トチノキも花が咲き始めました。
トチノキは通常背が高くて、花を近くで見る機会がほとんどありません。
でも、今年の中池近くのトチノキは比較的下の方に花をつけています。この機会にぜひ、ご覧になってみてください。
中池のアシを抜いて置いておいたら地下茎にだけクロヤマアリが集まってきました。
甘いのでしょうか、それとも、美味しそうな匂いがするだけなのでしょうか。
触り心地と見た目は美味しそうに見えなくもないので味を見てみようかとも思ったのですが、抜く前にあった場所を考えると味見を試す気にはなれなくて確認できていません。
2024-04-23
今、オニバス池の中は黄色い花でいっぱいです。
オミナエシが大群落を形成する中、ジシバリがところどころに小群落を作っていて、その中にときどきオニタビラコが混ざっています。
黄色を引き立てるベースの緑には、スズメノテッポウとムシクサが入っています。
ハンカチノキが花を咲かせていました。
今年は、他の植物同様早めの開花です。
2024-04-22
西洋カマツカの花が満開です。
花は花弁も花糸も全体に真っ白ですが、葯(花粉の入っているところ)だけ赤紫色をしています。
一つの花は小ぶりなので遠目には分かりにくいですが、近づいて見るとコントラストの妙とも言うべき美しい花を堪能できるのではないでしょうか。
ウワミズザクラの花が咲き出しました。
小さな花が房状に固まって咲くので、いわゆる桜らしい見た目をしていませんが、一つ一つの花は上の記事のカマツカ同様5枚の花びらを持つバラ科らしい花です。
そして、良い香りがする花です。ですが、花の位置が高くて香りを堪能するのは難しいところです。
バックヤードでオニバスの苗を育てる水槽の準備をしていたら、水槽の上にゴミグモがぶら下がっていました。
まだ、体の小さい若い娘さんです。
写真の様に脚をたたんでじっとしていると、本当に何かのゴミの様なので、初めは去年の蜘蛛の巣の残り物かと思っていました。
でも、水槽に水を入れる間ぼーっと見ていたら、突然一番下のゴミがゴミグモに変身して動き出したので正体を見破ることができました。
ゴミグモは於大公園内の至る所にいるので網を見かける機会は多いのですが、クモそのものを見つけるのはあのウォーリー並みに難しい種属です。
そのゴミグモの巣の隅っこにシロカネイソウロウグモがいました。
腹部が小ぶりなので、まだ若いメス、あるいはオスでしょうか。
こちらもよくいる種類ですが、何せ体が小さいので見つけるのは案外難しい種属です。
ゴミグモとシロカネイソウロウグモをぼーっと見ていたら水を入れていることを思い出して、ふと下を見ると、水面をチャスジハエトリが滑っていました。
こちらもゴミグモ同様若い娘さんです。
そして、ゴミグモ同様よく見かける種属です。
ただ、見つけるのは前2種ほど難しくはありません。カモフラージュもしませんし、大きさも小さくありませんから。
2024-04-16
ツマグロオオヨコバイの幼虫でしょうか、黄緑色の可愛らしい虫がいました。
体は小さいですが、ジャンプ力はとても強くて、一瞬で視界から消えてしまいます。
今回も、左の写真を撮った直後、視界から消えました。
薬草園のアリアケスミレも花の季節が終わりつつあります。
今年は咲き始めるのが遅めで、3月の終わりにやっと咲き出しました。その後、4月の中旬まで楚々とした綺麗な花を楽しませてくれました。
於大公園のアリアケスミレは白みが少し強めなので、園内の他のスミレとちょっと雰囲気が違います。
ハンカチノキが若葉を展開していました。
この樹は、オニバス池にいる2本のうち、北寄り、東屋に近い方です。
赤味がとても強くて綺麗です。
展開する前も赤味が入っていて綺麗です。
オニバス池にあるもう一本の樹は、赤味があまりありません。個体差なのでしょうか。それとも、日の当たり具合など環境の差なのでしょうか。
ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャの樹)も花芽を伸ばし始めました。
萼片になると思われる部分から、捻りの入った棒状のものが伸びています。
直線部分が有るあまり見ない形、もっと言うと変な形の蕾ですね。
オニバス池でジシバリが綺麗な花を咲かせています。
写真の中で黒っぽい棒状のものから2本の紐状のものが出ていますが、これが雌蕊です。まだ、ほぼまっすぐ伸びていました。
翌日見てみるとまっすぐだった雌蕊が右の写真の様にくるくるとカールして眼鏡の様な形になっています。
これ、受粉前と後、ということでしょうか。
園内某所、ご夫婦で来園した方が2人揃って地面を見つめたまま固まっていました。
声をお掛けしたら、「ヘビ」と一言。
指さす方を見るとアオダイショウくんが落ち葉を集める木枠の中にあわてて逃げ込むところでした。
私にとって、今年の初アオダイショウです。
1メートルは超えているかな、というくらいの大きさでした。
件のお二人は蛇が苦手なので遠ざかってくれてホッとした様子でした。でも、アオダイショウくんの方は写真を撮ろうと追いかけてくる私から逃れようと、慌てて木枠から滑り出て逃げて行きました。
その速いのなんの、おかげでピント合わせが間に合わず写真がブレてしまいました。
2024-04-04
4月1日の記事でカツラの雄花を紹介しましたが、今回は、雌花です。
赤く伸びているのは柱頭です。ここで花粉をキャッチします。柱頭が4本ということはこの花は雌蕊が4つ有ります。そして、おそらく果実が4つ実ることでしょう。
ところで、カツラは雌花も雄花同様、花弁も萼もありません。
そして、細長い柱頭が4本ほど見えているだけなので、雄花よりさらに人目につきません。
一般に風媒花の皆さんは花の見た目が地味ですが、カツラも風媒花の一員として立派に目立たない花を咲かせていました。
これも4月1日の記事で紹介したイロハモミジの雄花の写真です。
イロハモミジもカツラ同様見た目が地味な花を咲かせます。
そして、そのためでしょうか、カエデ類は風媒花であるという記述を見かけます。
でも、毎年花の咲いている時期のある期間、ミツバチが大群で押し寄せてきて花から花へ忙しそうに飛び回っていることがあります。
これ、虫媒花で見られる現象です。おそらく、イロハモミジは虫の助けを借りるのにやぶさかで無いのでしょう。
ただ、だからと言って風を利用していないとも言えません。もしかすると、イロハモミジはアカメガシワやソテツの様に、風虫両媒花なのかも知れませんね。
ところで、イロハモミジはカツラとは異なり雌雄同株で、1本の樹が雄花と両性花の2種類の花をつけます。右の写真は両性花です。ヘビの舌の様に先が二股に分かれた雌蕊がチャームポイントです。
オニバス池でテントウムシの幼虫と蛹を見かけました。
写真の枝の上側に張り付いているのが蛹で、下側のものが幼虫です。
しばらくしてから見に行ったら、幼虫はいなくなっていました。じっと張り付いていたのでここで蛹になるつもりなのかと思っていましたが違った様です。
幼虫から成虫までほとんどすべて(卵と小さい幼虫を除く)のステージのテントウムシをこの時期一番多く見かけるような気がします。草が少なく、見通しが良いせいでしょうか。
2024-04-01
毎年あちらこちらでいっぱい芽吹いていますが、いつの間にか消えてしまいます。
ウェブなどで見る限り育てるのが難しい種族ではなさそうですが、野生のものは大きくなるのが難しいようです。
何者かの抑制が掛かっているかのようです。
ヒメスミレが見頃を迎えています。
写真はオニバス池のものですが、マレットゴルフ4番ホールに上がる階段付近のものも綺麗に咲いています。
昨年の夏の雨不足と酷暑のせいでしょうか、あちらこちらでいろいろなスミレたちが株数を減らしていますが、生き残った株たちは綺麗な花を咲かせています。
タネをいっぱい飛ばして、スミレ王国の復興を成し遂げて欲しいものです。
ゼンマイの胞子葉が出てきました。まだ、フィドルヘッド(ワラビ巻き)の状態です。
於大公園のこのゼンマイは、一見してシダとは思えないくらい大きいです。
そして、巨大な胞子葉に数の子の様にびっしりとついた胞子嚢が、食欲をそそるかもしれません。
が、ゼンマイの胞子葉はおいしくないので食べない様です。食用にするのはこのあと出てくる栄養葉のフィドルヘッドです。
そしてそれはすでに下の方で待機しています。
この花は雄花で、カツラは雌雄異株なのでこの樹は男の子です。
花弁も萼もない蕊だけのあまり花らしくない変わった形の花です。目立たないので、知っている人しか開花に気づかないタイプの花でしょうか、コニシキソウの様に。
カラタチの葉芽が出てきました。大きくて鋭いあの恐ろしい棘のすぐ脇に、色も艶も若々しくまた可愛らしい様子で。
カラタチは実の形や花や葉の雰囲気や棘があるところがミカンの仲間に似ています。
でも、冬になると葉が落ちます。そのためでしょうか、カラタチはミカン科カラタチ属でミカン科ミカン属には入れてもらえていない様です。
ところで、カラタチはミカン科カラタチ属カラタチで1属1種です。われらがオニバスと一緒です(スイレン科オニバス属オニバス)。どちらも孤高の存在のようでカッコ良いのではないでしょうか。
この記事に関するお問い合わせ先
このはな館(於大公園内)
〒470-2102 愛知県知多郡東浦町大字緒川字沙弥田2-1
電話番号:0562-84-6166
ファックス:0562-84-6292公園緑地課 公園緑地係
更新日:2024年05月01日