絶滅危惧種「オニバス」の保護活動について(令和7年)

更新日:2025年06月27日

未来へ残そう!飛山池のオニバス

日本産オニバスは、「レッドデータブックあいち2015」で絶滅危惧1.A類(ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種)、国のレッドデータブックでも絶滅危惧2.類(絶滅の危険が増大している種)とランク付けされるなど、愛知県だけでなく全国的に自生地が激減し絶滅が危惧されています。

愛知県では、以前は各地で野生種と栽培種の生存が確認されていましたが、近年では減少しています。東浦町では於大公園による保全活動の成果もあり、2014年に飛山池でオニバスの生育を確認しました。

2012年にはオニバスの生息記録が残る名古屋城の外堀で生育が確認されるなど、愛知県内では少しずつではありますが回復に向かっています。今後も東浦町は、於大公園内での生息域外保全や小学校等との連携により、オニバスの保全活動を進めていきます。

オニバス池は於大公園沿道北方面に位置し、370平方メートル、外周75.6メートルの池です。

 

2025年のオニバス

2025年6月23日

オニバス池

オニバスの花の写真

オニバスの花の写真六郎の最初の花

6月20日、オニバスの花が咲き始めました。

20日に咲かせたのは、一郎と六郎です。

その後、三郎が21日、五郎と八郎が22日、二郎が23日に最初の花を咲かせました。

九郎は1人遅めのスタートだったので、花はまだのようです(5月30日の記事参照)。

オニバス池では毎年今頃から花をつけます。が、なんとなく年々早くなっているような気します。

2021年の最初に花は6月25日でしたが、2022年は6月24日、2023年は6月23日、2024年は6月21日、そして、今年2025年は6月20日です。

これは偶々なのか、あるいは何かの影響によるはっきりした傾向なのか、気になるところです。

ちなみに、オニバス池への移植日とその時の葉数は、2021年6月1日:11〜12葉、2022年6月1日:10〜12葉、2023年5月31日:10〜11葉、2024年5月31日:9〜10葉、2025年5月30日:10〜11葉で、こちらは早くなってきている印象はありません。開花した時の葉数は、毎年第15葉から第16葉が出たころで、こちらも変化はないようです。

 
オニバスの写真

今年も、オニバス池のポット6には2株のオニバス(八郎くんと九郎くん)が植えられており、複数のオニバスが互いに干渉せずにはいられないくらい近くで暮らした時の様子をご覧いただけるようにしてあります。

その上ポット6では、自然生えのオニバスたちも抜き取ったりしませんので、大きめの2株とたくさんの小さな株がひしめき合う状況になっています。

まだ、皆さん葉が小さいので喧嘩になっていませんが、この後葉が大きくなるにつれて縄張り争いが激化してきます。

やがて訪れるであろう阿鼻叫喚の地獄絵図、今年もお楽しみに。

2025年6月17日

オニバス池

熱帯スイレンの写真

6月17日、熱帯スイレンを2株オニバス池に移植しました。

青味がかった花をつける、ムカゴを作らないタイプの品種です。

他にも、ピンクの花を咲かせる品種と紫の花を咲かせる品種をバックヤードで栽培していますが、まだほとんど動いていません。

今年は、熱帯スイレンの動きが遅いようです。

バックヤード

オニバスの写真

バックヤードで栽培している七郎が、5月30日に第9葉を出して以降新しい葉を生成していません。

オニバスの写真5/25の中心部

通常右の写真のように中心部に半透明の鞘のようなものが見られるのですが、第9葉が出始めた頃から小さくなって、その後消えてしまいました。

そして、その後新しい葉が出なくなりました。

すでに出ている葉はやがて枯れていくので、このままだと七郎くんは枯死してしまいます。

オタマジャクシのようなオニバスを食べてしまう生き物はいないはずなので、七郎くんの元々の体質だったのでしょうか。

一体何が起こったのか、気になるところです。

 

2025年6月8日

オニバス池

オニバスの写真

6月8日、オニバス池で自然生えのオニバスを見つけました。

今年もオニバス池のそこら中で芽吹き始めました。

池の中ほどに出ている株は、一郎くんたち選抜隊の邪魔になるので抜きますが、縁に出ているものは放置しておくつもりです。

うまく生育すると間近に真上からオニバスを見ることが出来ます。案外見れない景色になりますので、お楽しみに。

ただ、昨年のようにオタマジャクシに食べられて全滅してしまう可能性があります。その場合はご容赦願います。

2025年5月30日

オニバス池

オニバス配置図

オニバス配置図

オニバスの写真
オニバスの写真

ポット5全景

5月30日、バックヤードで生育していた9株のオニバスたちの中から7株をオニバス池に移植しました。オニバス池での配置は図の通りです。

ポット1=「一郎」、ポット2=「二郎」、ポット3=「三郎」、ポット4=「五郎」、ポット5=「六郎」、ポット6=「八郎」と「九郎」。今年も、ポット6には2株入ってもらったので、オニバス同士の接近戦が見られることでしょう。

一郎から八郎までは、4月23日に育苗ポットに移植した株たちで、九郎だけ5月3日から育苗ポットで暮らし始めていますので若干葉数が少なめです。

オニバスたちの移植時点の葉の数と大きさは下の表の通りです。

オニバスたちの移植時点の葉の数と大きさ
オニバスの名前 一郎 二郎 三郎 五郎 六郎 八郎 九郎
葉の数 11 10 11 11 11 10 9
葉の大きさ(cm) 14.9 14.2 14.8 12.0 14.9 12.8 10.0

2025年のオニバスの葉の数は2023年と同程度で過去2番目に少なく、大きさは2024年より大きいけれど過去2番目に小さかったです。

これまでの傾向から、この時点の数値は最終的な葉数や大きさとは直接関係ないようなので、今年のオニバスたちがどのような成長を見せてくれるのかは予測不能です。

この先どのような展開を見せてくれるのか楽しみですね。

 

中池

オニバスの写真

5月27日、中池に蒔いたオニバスが第9葉を出していました。中池には4月23日と5月3日の2回、オニバスの発芽種子をオニバス池用に植え付けた時に余分に回収した株を蒔いていました。

今のところ、多くの株が生き残っていますが、いくつかの株の葉が何者かに齧られ始めました。

オニバスとオタマジャクシの写真オニバスの葉を齧るオタマジャクシ

今かじっているのはトノサマガエルのオタマジャクシです。

昨年は、オニバス池でも大量に発生させてしまって、かなりの被害を被りました。

中池にはすでにたくさんいるので、このままだと中池のオニバスたちは皆齧られてしまうことでしょう。

ところで、オニバス池用にバックヤードで栽培している株たちは早いもので第10葉が出ていますが、中池では第9葉までです。

この差は何に由来するのでしょうか。温度?養分?それとも???

 

2025年5月22日

バックヤード

オニバスの写真

5月21日、一郎、三郎、五郎、六郎が9枚目の葉を出しました。

写真は三郎くんのもので、1日たった22日の時点で、12.2センチメートルの長さがありました。今回のオニバスたちの中では大きい方で、まだもう少し大きくなるでしょう。

オニバスの写真三郎第9葉表側のトゲ

オニバスの葉裏の棘の写真 三郎第9葉裏側のトゲ

オニバスの葉裏の棘の写真三郎第10葉裏側のトゲ

オニバスの葉は、ここ於大公園では9枚目から棘が出てきます。ただし、葉の表のトゲは見た目や触った感じではほとんど分かりません。

裏側のトゲは、見たところトゲらしい見た目ですが、葉の大きさがそこそこ無いとトゲ自体もそれなりにならないので、まだ恐くありません。

でも、10枚目はかなり鋭い棘が生えてきています。そして、葉の大きさが小さくても、棘自体がそれなりになっているので触るととても痛いです。恐いですね。

ところで、一郎くんと六郎くんの第9葉は三郎くんのそれと同じくらいの大きさですが、五郎くんは全体に小ぶりです。

まだ、9枚目に達していない他のメンバーたちも、今のところ三郎くんたちほどの大きさはなさそうです。

しかし、これまでのデータが示す通り、この時点の大きさが最終的な大きさを示すとは限りません。

今年のオニバスたちは、この後どんな成長を見せてくれるのでしょうか。楽しみです。

 

2025年5月18日

バックヤード

オニバスの写真

5月18日現在、一郎、二郎、三郎、五郎、六郎の5株が7枚目の葉を出しています。

七郎、八郎の2株は6枚目を出しています。

成長の遅れている四郎と遅れてメンバー入りした九郎の2株は5枚目です。

オニバスの葉の写真三郎第6葉

今の所、三郎くんの葉が一番大きくなっていて、6枚目が9.3センチメートルになりました。

7枚目は7.2センチメートルで鋭意成長中です。

三郎くんはもちろん、他の株たちもこの後の成長が楽しみです。

 

中池

中池の写真

4月23日と5月3日の2回、バックヤードでオニバスを植えつけた時に回収していたオニバス発芽種子を中池にも撒いていました。

そのうちの数株が根付いて成長していました。

オニバスの写真中池のオニバス

成長の進んだものは、5月18日時点で第6葉が出ています。

今のところまだアメリカザリガニの動きが鈍いので成長できていますが、この後どこまで生きられるのか、今年も観察させてもらおうと思っています。

 

2025年5月4日

バックヤード

オニバスの写真

一郎 2025-05-02

5月2日、一郎と三郎が第4葉を出してきました。

第4葉からは水に浮きます。毎年、この葉っぱが出るとなんとなく安心します。大きい小さい、成長の早い遅いなど、株ごとの特性はあるものの、この浮葉が出るとこの後自然に消えてしまうことはまずないようなので。

オニバスの写真二郎 2025-05-04

二郎と五郎と六郎は5月4日に第4葉が出ました。

八郎は5月2日に第3葉が開き、もうすぐ第4葉が浮いてきそうです。

四郎と七郎は5月4日、やっと第3葉が開きました。

オニバスの写真七郎 2025-05-04

ところで、七郎くんは第3葉から水面に出ています。水深が浅いと、たまにこういうことをする株がいます。この後どんなふうに成長するのか気になるところです。昨年の五郎4代目もそうでしたが、オタマジャクシの食害にあって途中で消えてしまったので、第3葉から浮葉を出す個体の成長の過程を確認できていません。今年こそは無事に最後まで生きてもらって、成長の様子を見せてもらいたいと思っています。

 
オニバスの写真

5月3日、2代目九郎くんを植え付けました。先行している一郎くんたちから遅れること10日です。

第2葉が出ていて、第3葉が見え始めたところです。

オニバスの写真九郎 2025-05-03

今年のメンバーの中では今のところ一番遅れていますが、この後どこまで追いついていくのか、楽しみです。

以後お見知りおきください。

 

2025年4月23日

バックヤード

オニバスの写真

4月23日、バックヤードに保管してあるオニバスたちから8株を選抜して、育苗ポットに植え付けました。今年もオニバス栽培始動です。

そして今年も一郎から八郎まで、8株でスタートです。

オニバスの写真一郎 2025-04-23

一郎は大振りの種子で、第3葉が出ています。今回のメンバーの中では一番生育が進んでいます。

二郎も大振りの種子で、第3葉が出たところです。

三郎も大振りの種子で、第3葉が出ています。

四郎は中ぶりの種子で、第2葉が出たところです。

五郎は大振りの種子で、第3葉が出たところです。

六郎は中ぶりの種子で、第3葉が出たところです。

オニバスの写真七郎 2025-04-23

七郎は小振りの種子で、第1葉が出たところです。今回のメンバーの中では一番幼いです。

八郎は中ぶりの種子で、第2葉が出たところです。

今年はどんなふうに育ってくれるのか、成長が楽しみですね。昨年は私の不手際もあり、途中で枯死する個体がいましたが、今年はそんなことのないよう気をつけて栽培していこうと思っています。

 

2025年4月8日

バックヤード

オニバス種子の写真

オニバスたちが発芽し始めました。

今年は、真っ黒な種子に真っ白なポッチが見えるようになったのが4月に入ってからなので、観察を開始した2022年や翌2023年と同じようなペースです。

昨年の2024年は、かなり早くて3月19日に白いポッチが見えていましたが、今年は通常のペースに戻ったということでしょうか。

2025年3月22日

オニバス池

オニバス池の写真

3月22日、オニバス池のポットに土を戻し終わりました。

今年も、5月になったら水を入れ始め、6月早々に大きいポットにオニバスを移植、6月の終わり頃に小さいポットに熱帯スイレンを移植する予定です。

2024年のオニバスくんたちは、成長がゆっくりで、しかも葉も花も数が多かったですが、今年はどんな展開を見せてくれるのでしょうか。

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